田中昌人研究業績
田中 昌人 (たなか まさと)
全国障害者問題研究会 1期〜14期全国委員長
■略歴
1932年、東京生まれ。1954年、京都大学教育学部教育心理学専攻卒業。京都大学教育学部助手を経て、1956年、大津市立南郷中学校近江学園分校教諭、1964年滋賀県立近江学園指導係長。1970年京都大学教育学部助教授となり、1983年教授。1995年停年退官、名誉教授。1996年より龍谷大学文学部教授。2003年まで同大学教育開発センター・センター長をつとめた。
1958年から大津市の乳幼児健診相談活動に参加。1963年創設された重症心身障害児施設・びわこ学園を舞台にした療育実践記録映画『夜明け前の子どもたち』(1967年完成)の制作に携わる。同映画の全国各地での上映運動は障害児者の諸問題と発達を保障するという考え方への理解をひろげた。1966年、心身障害児教育研究運動をすすめる会発起人の一人となり、全国心身障害児(者)教育研究会結成準備合宿研究会をよびかける。この後、全障研結成準備会ができ、日教組の教研集会・心身障害児教育分科会を契機に、1967年全国障害者問題研究会結成にむけての取り組みがひろがる。結成大会の開かれた1967年8月、第1回総会にて全国委員長に選出され、その後、1981年までつとめる。1973年創刊された『障害者問題研究』第1号には、巻頭に「障害者科学運動の新しい発展を期して」を執筆、1980年より1999年まで本誌編集委員であった。
専攻分野は教育心理学、教育指導論、発達診断学、発達保障論、障害者教育学。研究テーマは、発達における内的合法則性の科学的解明、および日本における発達の概念の導入についての歴史的研究。
2005年11月18日、病のため死去。享年73歳。
■所属学会・団体
全国障害者問題研究会のほか、大学評価学会(共同代表)、日本科学者会議、日本教育学会、日本心理学会、日本教育心理学会、関西教育学会、関西心理学会、日本霊長類学会、日本応用心理学会(元会長)、人間発達研究所(所長)等
■おもな著作
田中昌人・田中杉恵『「精神薄弱児」研究の方法論的検討』1968年、財団法人大木会・心身障害者福祉問題総合研究所。
田中昌人『講座 発達保障への道』全3巻、1974年、全障研出版部 (復刻版)
田中昌人『私たちの障害児教育―小学校障害児学級からの報告』1975年、ミネルヴァ書房。
田中昌人『人間発達の科学』1980年、青木書店。
田中昌人・田中杉恵『子どもの発達と診断』全5巻、1981〜1988年、大月書店。
田中昌人『人間発達の理論』1987年、青木書店。
田中昌人・清水寛『発達保障の探究』1987年、全障研出版部。
田中昌人『発達研究への志』1996年、あいゆうぴい(萌文社)。
田中昌人「全障研の結成と私の発達保障論」『全障研30年史』1997年。
田中昌人・田中杉恵「予防接種被害の発達的特徴と改善措置の基本的方向」『障害者問題研究』第26巻4号、1999年。
田中昌人『1歳児の発達診断入門』1999年、大月書店。
田中昌人「インタビュー 今日における発達保障の理論と課題」『障害者問題研究』31巻2号、2003年。
田中昌人『障害のある人びとと創る人間教育』2003年、大月書店。
田中昌人『日本の高学費をどうするか』2005年、新日本出版社。
〈ビデオシリーズ〉
田中昌人・田中杉恵監修『発達診断の実際』1〜8、1993〜2003年、大月書店。
田中昌人・田中杉恵監修『あそびのなかにみる1歳児』〜『あそびの中に見る6歳児』1996〜2003年,大月書店。
■全国障害者問題研究会の訃報
■人間発達研究所の訃報
■故田中昌人さんの仕事 加藤直樹