障害者問題研究 第47巻1号(通巻177号) |
JAPANESE JOURNAL ON THE ISSUES OF PERSONS WITH DISABILTIES 2019年5月25日発行 ISBN-984-4-88134-775-1 C3037 定価(2,500円+税) |
特集 特別支援学級の意義と今後の課題 特集にあたって/中村尚子(発達保障研究センター) 学校基本調査・特別支援教育資料にみる特別支援学級の現状と課題 /窪田知子(滋賀大学教育学部) 本稿では,「学校基本調査」「特別支援教育資料」をもとに,特別支援教育制度が始まった2007年度からの10年間に着目して,特別支援学級の置かれている現状と動向および今後の課題について検討した.その結果,特別支援学級数や在籍する児童生徒数はますます増加していること,小学校では6年間の間に在籍者が約2倍に増加していることなどがわかった.また,都道府県によって特別支援学級の設置状況などの違いが大きいことも改めて浮き彫りとなった.この10年間で,特別支援学級が置かれている状況はますます厳しさを増し,教育活動の質に深刻な影響を及ぼしていることが示唆された. 特別支援学級制度をめぐる問題と制度改革の論点 /越野和之(奈良教育大学) 特別支援学級はわが国の障害児教育制度において最大規模の在籍者を擁する重要な制度だが,その制度のあり方は,特別支援教育への移行に際しても十分に検討されず,旧特殊学級制度の特徴をそのまま継承している.本稿ではこの制度の枠組みを概観した後,特別支援教育発足以後12年間におけるこの学級の特徴を,(1)在籍者の変容,(2)都道府県間較差の増大,(3)障害の重い児童生徒の在籍状況,(4)特別支援学級の設置状況と学級規模の4つの観点から検討した.その上で,特別支援学級制度の当面する課題として,自閉症・情緒障害学級の内実をめぐる問題,障害の重い子どもたちを受けとめるための条件整備,無学年制学級編制の改善の三点を指摘し,制度改革の論点を提示した. 自閉症・情緒障害特別支援学級の教育と発達保障 /別府悦子(中部学院大学) 本稿では,まだ歴史は新しいが,在籍児が急増している自閉症・情緒障害特別支援学級が,教育施策の中でどのように位置づけられてきたかについて,その沿革と特徴を検討する.そして,筆者が学校コンサルテーションを行った小学校の実践をもとに実態把握と課題の分析を行う.これらをもとに,自閉症・情緒障害特別支援学級の教育と発達保障の課題について考察を行った. 実践報告 安心感と表現の喜び――子どものつぶやきや日記から /山東直純(大阪府・公立小学校) 実践報告 合唱曲『群青』を通して,特別支援学級の中学生たちは何を学んだのか ――被災地(福島)に思いを寄せて /山下洋児(東京都・元中学校 特別支援学級担任) 実践報告 「結(ゆい)の島」の特別支援教育 /永濱美貴(鹿児島・徳之島町立亀津小学校 わかば学級担任) 報告 特別支援学級担任をめぐる現状と課題――埼玉県の場合 /埼玉県教職員組合 近藤弘司・篠田友子・根岸尚文・山本仁 埼玉教育文化研究所 中村尚子 ◆連載/実践に学ぶ @特別支援学級の教育実践 “たけのこと仲間たち”で取り組んだ『龍神太鼓』 /島根県・小学校 特別支援学級 与倉麻美 【与倉実践に学ぶ】葛藤に寄り添い,本当の願いに応える実践が学校・地域を変える /全障研埼玉支部 サークル麦の会 北川 祐子 A成人期の余暇活動の実践 「なかま」が教えてくれたこと――成人期の休日(余暇)を共に楽しむ /くまっこクラブふくい 石森正隆 【石森実践に学ぶ】障害のある人の休日の居場所を発達保障の観点から考える /滋賀大学 白石恵理子 ◆連載/ワイドアングル 保育労働者の労働問題――愛知県保育労働実態調査報告より /中村強士(日本福祉大学社会福祉学部) 動向 共生型児童発達支援にみる市場化の展開 /白梅学園大学 井原哲人 書評 井上英夫・藤原精吾・鈴木勉・井上義治・井口克郎編 『社会保障レボリューション――いのちの砦・社会保障裁判』 /評者 きょうされん常任理事 小野 浩 ◆本誌 紹介チラシ(PDF) ■障害者問題研究 バックナンバーへ |
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