声明 「つくる会」の教科書を障害児に押しつけてはならない

全国障害者問題研究会常任委員会 2005年7月31日


 栃木県大田原市教育委員会の採択に続き、東京都教育委員会は2006年度から都立中学(都立中高一貫校4校)と都立養護・ろう学校中学部(ろう学校、肢体不自由養護学校、病弱養護学校、青鳥養護学校梅ヶ丘分校、計21校)で使用する歴史教科書および公民教科書について、「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書を採択する決定を行いました。私たちは、「つくる会」の中学校歴史教科書、同公民教科書を障害児に押しつけることに反対します。

 障害児教育は日本国憲法・教育基本法の精神に立脚し、真理と真実を伝え、子どもたちの豊かな感性と知性を育むものであり、子どもたちの障害や発達の状態を科学的にとらえ、教育内容を吟味して、その方法を創造していくものです。

 しかし「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書は、日本国憲法の理念をないがしろにし、過去の歴史的事実から目を背ける内容であり、障害児教育の原則からも大きくはずれるものです。

 今回の東京都教育委員会の決定は、政治的な圧力で障害児教育諸学校への採択を突破口にし、さらにほかの公立学校へと拡げようとするものです。障害児に「つくる会」教科書を押しつけることをやめ、教科書の採択にあたっては、教職員・保護者の意見を最大限反映させることを強く望みます。


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