声明
「戦争立法」は違憲です!
障害者は平和でないと生きられません


2015年5月10日  全国障害者問題研究会常任全国委員会

 おそるべき安倍政権の動きです。
 政府は「戦争立法」の11法制(海外派兵の恒久法である「国際平和支援法」と現行の派兵関連法改正案)を提示し、5月14日閣議決定、国会提出、一括審議をすすめようとしています。安倍首相は4月29日、アメリカ連邦議会で「戦後、初めての大改革です。この夏までに、成就させます」と演説しました。
 また、衆議院憲法審査会は、安倍首相の悲願である改憲にむけ、5月7日実質審議を開始しました。来年夏の参議院選挙後の発議をめざし、大規模災害に備える「緊急事態条項」「環境権」などを優先し、「お試し改憲」から本命の「9条改憲」をもくろみます。

 戦後70年、大きな節目の年です。
 憲法は、前文にあるように「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し」「全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓う」ものです。とりわけ9条は、平和憲法の根幹で、25条はじめ、人として平等に生きるためのさまざまな権利の土台です。
 戦争は、いのち、文化、経済を破壊します。自由は奪われ、障害者は、社会的に役立たない「穀潰し」「非国民」とさげすまれ、差別され、抑圧されてきました。戦争と障害者のしあわせは絶対に両立しません。障害者は平和でないと生きられません。

 ところが、憲法を遵守すべき首相は、国会での審議すらなく、自衛隊が米軍の「戦闘地域」に派兵される日米防衛「ガイドライン」を改定し、アメリカ議会では、日米安保条約を軍事同盟までにすり替えた「日米同盟」を「希望の同盟」と強調しました。安倍首相のいう「積極的平和主義」は、「平和」とは正反対の「殺し、殺される」戦争への道です。

 国際障害者年は世界平和の強化を訴えました。昨年批准した障害者権利条約は、だれにとってもわけへだてのない社会の実現をもとめています。障害者の生きる権利、発達する権利は、戦争を是認する体制の下では決して実現しないのです。

 私たちは、障害者の権利を守り発達を保障する立場から、憲法に違反する「戦争立法」に反対し、平和憲法を守るためにあらゆる努力を行なう決意です。
 

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