声明
平和憲法を守り、発達保障の道を力強く進もう


2015年10月21日  全国障害者問題研究会常任全国委員会

 2015年9月19日未明の参議院本会議で、安倍自公政権は、前々日の参議院特別委員会での実体なき「採決」・「可決」を受け、数の力によって安全保障関連法案を可決させました。
 私たちは、一貫して国民の声を無視し、民主主義を踏みにじった安倍自公政権の国会審議に満身の怒りを込めて抗議し、9条改憲に道をひらき、日本を戦争国家へと引き戻す安保法制の廃止を断固求めます。

 戦争が障害者を新たにつくり出すこと、貧困と格差の先に戦争があることは、痛苦の歴史が教えるところであり、人びとからいのちと平和な暮らしを奪う戦争の火は、今日もなお消えることはありません。
 日本がその戦争に再び足を踏み入れることは、明らかに平和憲法に違反するものです。人びとの生きる権利と発達する権利がわけへだてなく保障される社会の実現を求める障害者権利条約の批准国としても、国民の意思を無視して、政府と国会の判断によって戦争への関与を強めていくことは、到底是認できません。

 いま、「一億総活躍」のかけ声とともに、戦争する国を支える人材の育成と活用がめざされ、社会の役に立たないとされる人びとを切り捨てようとする動きが顕著です。主権者である私たちが、自由に真理と真実を学び、知性と感性を育むことを封じることで、時の政府が思い描く社会像や価値を一方的に押しつける力も強まっています。
 このような動きに対して、全障研の研究運動はつねに、人間の尊厳と権利を踏みにじることを許さず、一人ひとりが自由かつ対等・平等な関係を築きながら、発達保障の理論と実践を創造してきました。

 国会前や路上から無数に発せられた「戦争法案反対」「憲法守れ」「民主主義ってなんだ?」の声は、法成立後も止むことなく、平和と民主主義を希求する人びとのあいだで未来への希望をつむぎ出しています。

 戦後70年の節目に、私たちは、あらためて障害者の権利を守り発達を保障する立場に立って、安保法制の廃止を断固求めます。そして、多くの人びととともに学び、手を携えながら、平和と民主主義につらぬかれた発達保障の道を力強く歩み続けます。 

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