障害のある子どもの
安心子育てブック 
(絶版)

  池添 素(いけぞえ もと)(京都・らく相談室主宰、全障研副委員長)
 
   
   定価 本体1400円+税  2004年8月15日 発行  ISBN4-88134-184-7 C3036
 
表紙

はじめに

親・家族のねがい
 (1)子どもの障害とつきあうために
 (2)家族の暮らしを考えよう
   1 パートナーとの関係は?
   2 きょうだいも我が子
   3 おばあちゃん、おじいちゃんは強い味方
 (3)近所とのつきあい・親戚づきあい
 (4)親の自立と子どもの自立  未来の生活を考えよう
 手記 父:斎藤洋生、中内福成
     姉:山田美咲、兄:西原墾、妹:立田佐代子、兄:戸田竜也、祖母:山本キミエ
     母:池田春子、西村由美子、荒ひろみ、西原由美、立石まき子

子どものねがい
 (1)発達ってよくわからない
 (2)子どもの暮らしを考えよう
 (3)「自立」ってなんだろう
 (4)大切な「生と性」

みんなのねがい
 (1)医療や訓練を上手に活用するために
 (2)専門家を味方に  相談するときのポイント
 (3)保育園と療育施設
 (4)学校と放課後の生活
 (5)学校卒業後の進路
 (6)声をあげて、つながろう  福祉制度や現場の実態をよくするために

おわりに
■みんなのねがい10月号 
 子育ての終わりをつくる ヒントをもらいました   本誌編集委員・青森 小保内早苗

 「この本がもっと早く出版されていたなら、子育てをもっと楽しめたかもしれない」。読み終わってすぐの感想です。サブタイトル『3つのねがいをかなえよう』には、「親・家族」「子ども」「みんな」のねがいをかなえたいという筆者の願いが込められています。
 私の子どもは養護学校小学部2年生で、重度の重複障害児です。子どもが小さいうちは、親が手をかけたぶん子どもは成長する、自分のことを考える時間があったら子どもに時間を割くことが障害児の母の仕事であると考え、自分自身を脅迫しながら、がむしゃらに生きてしまいます。この思いが、子どもへのいきすぎた介助につながっていると反省しました。子どもに選択させることが、発達への一歩であることを学びました。
 この本には、父母、きょうだい、祖母、それぞれの立場から一二名の方が手記を寄せています。
 西原墾さん(広島)は兄として「親は子どもが小さいときに好きだったものから抜け出せていない」と書いています。心臓がバクバクしました。私も子どもと年齢相応に接していない! キャラクターもののシャツを、子どもはどんな思いで着ていたのだろう…。  また、立石まき子さん(鹿児島)は母の立場から「自分のことも大切にし、しんどいときには誰かにあまえてください」と、後輩のお母さんにあたたかいメッセージを寄せています。思わず涙がこみあげてきました。
 無事養護学校に入学し、今悩んでいるのは学校卒業後です。通所も入所もあまり明るい状況ではないようすに、「一生子育て」と、なかばあきらめのような思いをもっていました。しかし「子育ては終わりがくる、終わりをつくるものだ」の著者の言葉に、無理にのばしていた背筋から力がぬけていきました。そして、「終わりをつくる」ために何をしていけばいいのか、ヒントをもらいました。
 残念ながら私の住んでいる地域には相談機関がありません。セラピストに子どものことは相談できても、自分(親)のことを話す場はありません。京都にある「らく相談室」が自宅に臨時開設し、心の縛りをほどいてくれたような気がします。

■しんぶん赤旗「ほんだな」 8月22日

 子育ては「育て方が悪かったの?」と、悩むことの連続。「子どもは子ども」。抱えきれなくなる前に「助けて!」と弱音がはけるとどんなに楽か、と子どもの発達相談を受けてきた著者。障害児の子育てで、家族、子ども、そしてみんなのねがいを実現するにはどうしたらいいか、一緒に考えます。成長した家族の体験談も豊富。

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