みぬまのチカラ
  
 ~ねがいと困難を宝に~

  みぬま福祉会30周年記念刊行委員会

   定価 本体2200円+税 ISBN978-4-88134-305-0  C3037  2014.8.9
  
表紙

■目次  みぬまのチカラ ~ねがいと困難を宝に~

はじめに  みぬま福祉会理事長 高橋孝雄 3

第Ⅰ部 みぬま福祉会の歩み

 第1章 どんな障害をもっていても希望すればいつでも入れる社会福祉施設をつくろう 13 
  1 「不本意な在宅者を出さない」を理念の柱にして
  2 まさか、うちの子が給料をもらうなんて
  3 わが子は入所できないかもしれないけれど
  4 施設に仲間を合わせるのでなく、仲間に合った施設をつくろう

 第2章 わが子ともう一人の困難な仲間のために 23
  1 「施設づくりは仲間づくり」 
  2 施設づくり反対の地域を変え、のりこえた運動は、
    「わが子ともう一人の困難な仲間のために」のおもいを生み出した

 第3章 進路保障運動が地域から期待される社会資源づくりに 27
  1 新たな困難と出会い
  2 制度と運営基準の貧困さが経営を圧迫し、それが仲間の生活にまで影響を与えた

 第4章 基礎構造改革の中で理念を守りながら経営の体質を変える 31
  1 危機の中でめざしているものを見失わないために
  2 制度を最大限に活用して専門的な支援の基盤をつくる 
  3 財政の安定と施設が増えたことで実践は「豊かさ」を実現するものになった
  4 みぬまの施設をつくりたい

 第5章 福祉の市場化にたいして、障害者に必要なことをきちんと進める 38
  1 第2期将来構想事業の推進
  2 障害者自立支援法の成立
  3 太陽の里の改善
  4 みぬまの運動を外に向ける


第Ⅱ部 みぬまの実践

 第1章 働く 50
  1 働くことへの挑戦
  2 表現活動を仕事に
  仲間の「ねがい」と職員の「ねがい」を撚り合わせ、
   新しい価値を創造していく/白石恵理子(滋賀大学) 78

 第2章 暮らし 88
  1 暮らしをつくる
  2 暮らしの充実と労働
  3 医療的ケアが必要な仲間
  4 ホームでの暮らし
  5 仲間・家族・職員が信頼しあえる対等な関係 ~家族の思いから~
  多くの困難を抱えた人たちへの暮らし支援に学ぶ/峰島 厚(立命館大学) 110
 
 第3章 障害と発達に視点をあてて 118
  1 行動障害にとりくむ 
  2 社会的困難を抱えた仲間たち
  3 新たな困難のある仲間たちとの出会い 
  科学的理解と共感的理解を重ねて、より深いなかまを理解する/白石恵理子 142

 第4章 人生に寄りそう支援 152
  1 命を支える
  2 終末期の仲間を看取る
  3 仲間の中で生きること
  4 大切な人の命
  5 人生に寄りそいたい
  命に向き合うことは究極の生活支援/中村尚子(立正大学) 177

 第5章 仲間の力を未来をつくる力に 188
  1 自分たちの生活は自分たちでつくる 
  2 自分たちで新しい暮らしの場を考える
  意見を表明する力を受けとめる集団の質/中村尚子 211


第Ⅲ部 座談会 219

おわりに みぬま福祉会後援会会長 足立早苗 235

●書評・感想・ご意見など

◆全障研しんぶん10月号
 『みぬまのチカラ ねがいと困難を宝に』(みぬま福祉会30周年記念刊行委員会、全国障害者問題研究会出版部、2200円+税)は、埼玉で活動しているみぬまの30年を記念してまとめられた書。30年、みぬま福祉会にも試練や喜びがあったのだろうが、そういうことは語られないで、記述されるのはみぬまの実践を裏付ける観察の大事さだ。「観察力」とでも言うべき偉大な力を獲得した職員集団の討論に驚嘆。
 学ぶべき実践は各地にあるが、みぬまから学ぶべきは「ねがい」と「観察」と「人生」ではないか。仲間の「作品」を「芸術作品」にしたのは職員の観察だった。
 <みぬま福祉会は実践でも運動でも、「困難や例外的な状況にある人を切り捨てない」ことを大切にし・・「つないだ手を離さない」姿勢><施設長が「“社会とつながる”お金を稼ぐ”“仲間の発達につながる”を満たせれば仕事と認めよう」と助け船を出してくれ・・表現活動が仕事に>
 井上吉郎さん(WEBマガジン福祉広場編集長)

◆「ねがいのおまけ」 成人期の生活・労働を支える
 本書をつくるとき、施設づくりがどんな思いからはじまったのかをふりかえり、実践を継承していくためのよい機会だと思いました。本づくりを通して、一人の人間の人生にしっかりよりそってきたこと、なかま・家族・職員が対等平等の関係をきづいてきたことなど、「みぬま」の成果を確認できました。実践をどう言葉にするか、外部の人にも伝わるためにはどうするか、など編集の苦労は大きかったですが、みぬまに関わるみんなで積み上げた実践のチカラを読みとることができます。実践の醍醐味をみなさんで共有できたらと思います。
  園部泰由さん(太陽の里施設長)

◆月刊「みんなのねがい」2014年11月号
  倉庫を改修し無認可の作業所から始まったみぬま福祉会は、20の事業を展開する社会福祉法人になった。創立30周年を記念し,つくられたのが『みぬまのチカラ』。本書は単なる記念誌でなく、みぬま福祉会が展開する最先端の進行形の運動と実践をまとめたものである。
 「どんな障害をもっていても、希望すればいつでも入れる社会福祉施設づくり」推進の理念を掲げたみぬま福祉会は、貧困な社会福祉施策のもとで困難を極めた。その困難をみんなのチカラで乗り越えることによって、障害のある仲間の人格的豊かさを生み出し、地域や行政を変える力となった。同時に障害のある仲間や家族から信頼と期待が寄せられている。
 「入所施設を解体し地域へ」という政策動向のなか、「施設に仲間を合わせるのではなく、仲間に合った施設をつくろう」とするみぬま福祉会の運動と実践は、たくさんの課題と方向性を提起し、学べることが多い。これからもみぬまから目が離せない。
  品川文雄(発達保障研究センター理事長)

「前衛」2014.11月号

◆月刊「ノーマライゼーション」2014年10月号「ほんの森」
  評者=佐藤久夫(日本社会事業大学)

 「よくある○○周年記念誌とはだいぶ違う。沿革や資料にあたる部分がない。だいたい誰がどこを執筆したか書いていない。13人の刊行委員が集討論を重ねて執筆し、素案について何回かのオープンな検討会でさらに議論し、できあがった文章に対する3人の研究者からの詳細な評価も載せている」
 「内容的には「実践的障害者支援論の優れたテキスト」といえるが、これではどうも表現できた気がしない。特に、障害者を単に支援対象とは見ていない。結局はタイトルの「みぬまのチカラ ねがいと困難を宝に」以上の端的な表現は思いつかない」
 「まさに「商品化したマニュアル的支援論」の対極にある支援実践論が豊富な事例をもとに紹介されている。現場で汗を流す人々を励まし、日本の障害者福祉を変えていくチカラを確実に与えてくれる本である」
 全文はPDF参照

◆書評 全障研岐阜支部ニュース  別府 哲(岐阜大学)

 感想を一言で言えば、「迫力のある本!」。埼玉県にある障害者が働き生活する13カ所の施設を抱える「みぬま福祉会」の運動と実践の集大成。ぐいぐい引きつけられ、電車で一気に読んでしまった。
 (略)
 障害を持つ人を「要求の主体」としてとらえること。これが「きれいごと」ではないこと、しかしそれを実践するには深い人間理解と強さが必要なことを教えられた。ぜひ多くの人に読んでもらいたい本である。
 全文はPDF参照

しんぶん赤旗 2014.11.24 仲間の困難や願いはみんなの宝

個 片山工房

 削ることなく、すべてを受け入れ、大河のごとく流れるみぬま福祉会
 表面には穏やかに、水面下は、膨大なエネルギーに、「人と人々」を感じる
 働く事を問い、暮らしを問う。明るさを。
 障害であるまえに、あたりまえである「もの」を、真っ直ぐ見つめ「えぐる」
 そこに豊かさを見いだし、「人」を見いだす。芯がなければできない。

◆月刊「子どものしあわせ」2015年1月号
  山本万喜雄(聖カタリナ大学)「マッキーの共育讃歌 仲間たちの労働 表現活動を仕事に」

 障害の重いことを理由に、卒業後の行き場をどう保障するか。最近、そんな悩みに一条の光が射し込んできました。埼玉県にある社会福祉法人みぬま福祉会が三〇年を記念して本を出版したのです。それが『みぬまのチカラ ねがいと困難を力に』(全障研出版部)という本です。
 (略)
 まさに共育はアート。仕事に仲間を合わせるのではなく、仲間に合わせた仕事を見つけようというチャレンジは注目に値します。 全文はPDF参照

◆雑誌「経済」2015年2月号  評者=鈴木勉(佛教大学)

 福祉経済学者のアマルティア・センの「財と人との関係」論から、「障害の有無にかかわらず、そして老幼者を含めて社会的規模で”よりよき自立のためのよりよき依存関係”を形成することが、人間と社会にとって快適な状態をつくりだす」と指摘して、「みぬまの30年にわたる実践と運動は、人間存在の意義を根底から問う営為」として、猛烈な福祉破壊と政治反動のエスカレートのなかで、「これを草の根から覆し、”もうひとつの日本”をつくる営みは”みぬま”の実践や運動に見られるように各地で展開されている」「こうした地域実践の積み重ねとそのコラボレーションこそがファシズムを打ち破り、平和的生存権をこの国に根づかせる道であることが理解できよう」  全文はPDF参照
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