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                                                                                       平成18年2月20日
  京都市長  桝本 ョ兼 様
 

       障害者自立支援法案に異議あり!「応益負担」に反対する大集会実行委員会
          代表者 小森 猛
          住所  〒603-8324 京都市北区北野紅梅町85 弥生マンショ ン1階
          電話  075-465-4310


     障害者自立支援法施行に伴う施策に関する要望書

 平素からの、障害者福祉推進についてのご努力に敬意を表します。
 さて、昨年10月31日可決・成立した障害者自立支援法が、いよいよ4月1日から施行されることになりました。
 私どもは、法案提案時から、障害福祉に「定率負担=応益負担」を導入することに反対し、「私たちのことを私たち抜きで決めないで」と主張してきました。同時に、法律が、障害を持つ人の暮らしと社会参加を支える制度となるよう声をあげてまいりました。
 すでに、京都市におかれては、「定率負担=応益負担」の利用者負担を軽減するために、今市議会に、京都市独自策のための予算を提案されていますが、私たちはその提案を歓迎し、実現を心から願っています。
 と同時に、私たちは、「障害者及び障害児がその有する能力及び適性に応じ、自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう」(法第1条)にするためには、さらなる改善策が必要と考えています。
 つきましては、以下の点について要望いたしますので、ご検討の上、これらの実現のためにご尽力くださるよう、お願いする次第です。

 要望事項

T、制度の周知徹底について
1、現在、支援費制度利用者へ新制度についての連絡が行われていますが、口頭による説明会を、障害者団体などを通じて実施してください。
2、現在回収がすすめられている書類に記述したプライバシーに関わる項目には、万全の配慮を求めます。

U、利用者の負担について
1、京都市がすでに提案している「総合上限制度」を含む負担軽減策の実現を図ってください。
2、現在、利用者の送迎を行っている事業所については、法施行後も送迎を実施する場合、送迎費用を助成してください。
3、現在、給食を実施している事業所については、法施行後も給食を実施する場合、給食費を助成してください。
4、社会福祉法人減免制度については、社会福祉法人でない事業所も実施できるよう、事業所負担分への助成を実現してください。

V、「支給決定」について
1、厚生労働省『認定調査員マニュアルVol3』では、「障害程度区分認定調査」時に、「同時にサービス利用意向聴取を行うこともありうる」とあります。しかしこれでは障害程度区分を知ってから「サービス利用意向」を考えることはできません。障害程度区分認定結果を通知した後に「サービス利用意向」を聴取するようにしてください。
2、支給決定にあたっては、障害程度区分を、法にあるように「勘案事項」のひとつとして、参考にとどめ置くようにしてください。
3、支給決定について、京都市の決定基準を作り、公開してください。
4、認定審査会、不服審査会では、本人の申し出により、意見陳述ができるようにしてください。
5、認定審査会委員は、過半数を障害当事者委員にするなど、障害者の立場に立って十分に審議できる体制にしてください。委員には、障害当事者の声を聞く、施設現場を知るなどの十分な研修を行ってください。
  また、認定審査会は、一人あたり数分などの時間を決めて審議をせかすことなく、十分に審議を尽くしてください。

W、国の指定基準、報酬単価について
1、国の指定基準、報酬単価が少なくとも現行のサービスを維持できる水準になるよう国に働きかけてください。
2、現在利用しているサービスについては、利用者が希望する場合、少なくとも法施行後も同じようなサービスを同じ量で利用できるように、京都市独自でも対応してください。
3、現在実施している京都市単独事業については、法施行後も継続し、さらに独自施策の充実に取り組んでください。

X、障害福祉計画について
1、計画策定にあたっては、当事者もまじえて支援費制度の3年間を総括し、その成果と課題を計画に反映してください。
2、策定の前提となるニーズ予測については、「サービス利用意向」の悉皆調査を必ず実施してください。
3、上記悉皆調査にあたっては、介護給付・訓練等給付・地域生活支援事業のすべてのサービスを利用者に説明し、すべてのサービスの利用意向を調査してください。
4、サービス必要量の確定にあたっては、上記作業の中間報告会を開き、障害者・関係団体などの意見を反映できるようにしてください。

Y、地域生活支援事業について
1、地域生活支援事業については、すべての事業の利用料を無料にしてください。
2、新規事業である移動支援・生活サポート・福祉ホーム・居住サポート事業については、関係者の要望を聞いて、柔軟で多様、かつ十分に準備してください。
3、新事業のいずれにも移行できない、あるいは移行しない小規模作業所への助成を継続し、補助金を増額してください。
4、大学の町・京都にふさわしく、障害学生支援のために、移動支援、生活サポート事業が学内でも利用できるようにしてください。

Z.障害児の独自の問題について
1、児童福祉法第2条「国及び地方公共団体は児童の保護者とともに児童を心身ともに健やかに育成する義務を負う」は障害者自立支援法になっても生きています。
 障害者手帳をもっていなくともすべてのサービスを利用できるようにしてください。
2、障害児施設については、当面、現行措置制度の名称・最低基準などを維持するようになりました。基本を変えないのですから、運営や障害児支援の基本となる月払い方式、給食、送迎なども現行制度・方式を維持できるようにしてください。
3、現行の障害児デイサービス、通園事業については、新児童デイサービスに移行できるようになったとはいえ、現行の出来高払いによる運営の不安定さは解決しません。この際に、安定した運営ができる制度にして移行に対応できるようにしてください。
4、障害児の利用料軽減措置の収入認定は、多くが一般就労している保護者などの収入でされます。ほんのわずかの保護者しか軽減措置を利用できません。低所得世帯の範囲を障害児世帯の実態に即して大幅に拡充してください。