ウオッチング推進会議
  編集:日本障害者協議会(JD)情報通信委員会

■第5回 障がい者制度改革推進会議 2010年3月19日
はとやま総理も参加した
 鳩山総理、福島担当大臣なども出席し、教育、障がい表記、政治参加を検討しました

 
配布資料(PDF)
 
オンデマンド放送(字幕、手話付中継録画) 鳩山首相の出席、あいさつは14:45〜15:15

●東室長 論点整理 
・障害者基本法(教育該当部分)、教育基本法(差別禁止条項の不存在)、学校基本法(異なる教育目的の設定)など、条約批准の観点から法制度の面に視点をあてて確認していく作業をしていきたい。
●障害者基本法(教育該当部分)
1)障害者基本法の総則規定の中に、障害者の教育の権利及び求められる教育のあり方を、障害者の権利条約に即して追加して規定すべきか、否か。
→多くの委員は「総則で規定」。各論の見解もいた。どのような権利を規定するか整理して検討の意見もあった。「書き込む」必要なしの意見もあった。
●教育基本法(差別禁止条項の不存在)
2)障害者基本法14条1項は、「国及び地方公共団体は、障害者が、その年齢、能力及び障害の状態に応じ、十分な教育が受けられるようにするため、教育の内容及び方法の改善及び充実を図る等必要な施策を講じなければならない。」と支援をその柱にすえるが、合理的配慮の規定は存在しない。そこで、普通学校、普通学級での合理的配慮、必要な支援についても規定するべきか、否か。
→「規定必要」が多くの委員。2名は、合理的配慮は過度な負担は免責があるので、より強力な表現でと。少数意見はどこで書くべきかで検討。多様な配慮を効果的にの意見もあった
●教育基本法(差別禁止条項の不存在)
・教育基本法4条1項は、「人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない」としつつも、この中に、「障害」という文言はない。「障害」という文言を挿入して、障害に基づく差別の禁止を明文化する必要性について、どう考えるか。
→多くの委員は「明文化必要」のぞましい。
学校基本法(異なる教育目的の設定)
 学校教育法72条は、特別支援学校(従来の盲、聾、養護学校)について、「幼稚園、小学校、中学校又は高等学校に準ずる教育を施す」ものと規定している。
1.この普通教育と異なる「準じる」教育という設置目的をどう考えるか。
→いろんな意見あった。一般より一段低くにとらえているが多くの意見。「準じる」は解釈できるもあったが
2.この目的の設定は、障害者の権利条約の差別(第2条)に該当すると考えるか、否
か。
3.障害者の権利条約第24条1項が「この権利を差別なしに、かつ、機会の均等を基礎として実現する(政府仮訳)」と規定している点に合致していると考えるか、否か。

→多くの方は「合致していない」
→議長代理まとめ:弊害部分大きい、改正すべきで一致。

●東<特別支援学校の設置>
: 学校教育法80条は、普通学校の場合と異なり、都道府県が「特別支援学校を設置しなければならない」と設置を義務づけており、さらに、同法78条は、特別支援学校には「寄宿舎を設けなければならない」と規定している。
1.これらの規定は、居住する市町村から離れて就学せざるえない事態を予定するものであるが、障害者の権利条約第24条第2項(b)「障害者が、他の者との平等として、自己の生活する地域社会において、障害者を包容し、質が高く、かつ、無償の初等教育を享受することができること及び中等教育を享受することができること(政府仮訳)」という規定に違反すると考えるか、否か。
→さまざまな意見があった。意に反する場合は権利条約違反。本人望む場合は、寄宿舎は就学機会を保障するものとなる。区分けした議論必要
○急激な改正、変化は、子どもたちにいちじるしいく付加がかかってはいけない。特別支援教育も尊重を。教師の専門性が問い直される。
○メンバーに障害児教育の専門が多いとはいえない。文科省の声も聞きたい。教員、保護者、当事者の声も聞いていくプロセスはとくに教育は大切、慎重な検討が必要
○いま生きている子が、どのような差別にさらされているのか関心を持つべき。分離強制は差別、そこぬきにはしてほしくない。
○特別支援教育の全体像のあり方の議論の前に個別事項を検討する手法がよいかどうかやや疑問でもある。

2.また、親からの分離を禁止する障害者の権利条約第23条4項「締約国は、児童がその父母の意思に反してその父母から分離されないことを確保する。」に違反すると考えるか、否か。
→父母の意志に反する場合。多くの意見は条約違反、可能性ある。
●<特別支援学級の設置>:学校教育法81条は、普通学校の通常学級の他に、特別支援学級(従来の特殊学級)の規定を置いている。この規定は、普通学級ではない学級での教育を前提にするものであるが、これは障害者の権利条約第24条第1項のinclusive education(インクルーシブ・エデュケーション)に合致するものと考えるか、否か。
→合致する意見6 合致しない7名 選択権前提5名 意見わかれている
<就学先決定の仕組み>
 学校教育法第17条は、保護者にその子どもを小学校、中学校に就学させる義務とともに、特別支援学校に就学させる義務を別個に課している。そしてその親の義務の履行として、学校教育法施行令は、障害のない人(子どもを含む)については、学校教育法施行令5条により、市町村教育委員会が入学期日等の通知や学校の指定を行うのに対して、障害のある人については、学齢期を迎える前の子どもを対象とする就学時の健康診断によって、同施行令22条の3が規定する障害と障害の程度に該当する障害の存在が分かると、同施行令11条により、原則として(例外は認定就学者)、都道府県教育委員会が特別支援学校の入学期日等の通知や学校の指定を行うことになる。

1.障害のある人の就学先の決定を法律ではなく、施行令に委ねているが、立法府の関与を要しない政令に委ねてよいか、否か。
→16名中 法律で決めるべきという意見 

2.学校教育法施行令5条、11条ならびに22条の3項による「障害に基づく分離」制度の廃止についてどう考えるか。
→8名は廃止 1名は段階的 改善必要。「学級廃止はのぞましくない」「手話言語、集団性も必要」

3.障害のある人が生活する地域社会にある学校に学籍を一元化することについて、どう考えるか。
→10名が一元化。のぞましい2名。検討する必要ある2名。メリットデメリットの整理を。ろう学校に学籍を置くことにさまたげになってはいけない

4.障害のある人および保護者が、特別支援学校、特別支援学級を選択する選択権の保障についてどう考えるか。
○意見聴取はあるが、保護者に選択権があるのではない現状がある
○「学校はリソースとして」の意見が多数。
○すべてを保護者にゆだねていいのか 合意の重要性 異なるときの決定プロセス
○選択可能な選択肢をし

●合理的配慮の具体化
1.合理的配慮の具体的内容について、障害のある人および保護者、学校、学校設置者の三者が合意形成をしながら策定するプロセスについて、どう考えるか。
→弱い立場をどう支援していくか
→利害関係者のない第三者
2.合理的配慮の内容について、障害のある人および保護者が、不服の場合の異議申立手続きについてどう考えるか。
→全員一致で異議申し立て手続き重要

●聴覚、視覚に障害がある場合の教育
1.手話言語学習権の保障と教育のあり方についてどう考えるか。 →異論なし
2.手話又は点字についての適格性を有する教員の確保についてどう考えるか。 →ほとんど異論なし
3.教育におけるあらゆる形態様式のコミュニケーション保障についてどう考えるか。
→あらゆる形態様式のコミュニケーション、・ろう学校でのコミュニケーション手段は手話

●特別支援教育
特別支援教育の評価と今後のあり方についてどう考えるか。
→中身の問題 法制度とは別だが、さまざまな意見がある

○理念のない教育は最悪。問題は可及的速やかに、過ちを犯さない制度を。主人公は子どもたち
○小学校段階はコミュニケーション支援ではなくまさに「教育」。普通学級でなんの支援もなく放置されている聞こえない子ども・ぜひ、この推進会議を法的に位置づけてほしい
○施行令5条は廃止すべき。認定就学制度は廃止を。段階的にでも。県立学校を市町村立の特別支援教室に整備を。
○学籍の一元化と個別のニーズにおうじた。全員が地元の学校に学籍を持ち、希望によっては他の形態も受けられる。それはみんなの合意になっているのではないか
○大きな意見の違いはあったが 条約に則して考えると大きな違いはない。しかし、そのためには、普通学級の相当の支援投入が必要。20人学級、2人の教員、普通学校には4倍の教員必要との計算もある。予算もかかる。総理にはぜひがんばってもらいたい
●鳩山総理=教員の予算も必要、一方「新しい公共」も「しあわせの共有」も。情報保障などいろんな配慮のある推進会議、これが特殊ではなく、これが通常される社会にしなければ
●藤井議長代理まとめ=ヒヤリング(文科省や団体)、そして「部会」設定につないでいく

■障害の表記
○「障害」の表記の在り方
1.法令等における「障害」の表記の在り方については、「害」の字がマイナスイメージを与えることから、「障害」の表記を見直すべきとの意見があるが、これについてどう考えるか。
→消極、慎重に検討が多くの意見 
2.「障害」という表記を見直す場合、以下のような可能性を提案する意見もあるが、どう考えるか。
@「障がい」A「障碍」それ以外の提案はあるか。
→適切でない。ひらがながいい2名、「碍」2名
3.現在、文化審議会において改訂が検討されている常用漢字表に「碍」を入れて「障碍」とも表記できるよう選択肢を広げるべきとの意見もあるが、これについてどう考えるか。
→ただちに賛成できない、賛成は3名
4.「障害」の表記をめぐる上記1.〜3.の論点に加え(権利条約の英文テキストでは”persons with disabilities”と表記されることを踏まえ)、障害者を表す際に、現在の「障害者」という言い方を「障害のある人」と変更すべきとの意見や、「チャレンジド」と言い換える提案があるが、これらについてどう考えるか。
→「障害のある人」が多く。「チャンレジド」は不評 
○斎藤企画官=常用漢字見直しの動きに 「碍」は含まれていない。「がい」とすると他の障害の吟味もあるので膨大な作業になる。
○推進会議で名称を決めるのではなく、当事者に一定期間、マスコミ団体、地方、みんなで議論するプロセスが大事ではないか
○「害」も「障」もおなじ意味。表記はいまのままでいい。問題は特別で劣ったものとすること
○東=「碍」をダメだというのはおかしい。国語審議会は30年に一度の機会。ちゃんとつかえるようにすべきではないか。それについては再度はかりたい。

■選挙に関する情報の保障
1.選挙広報などの行政の提供する情報についてどう考えるか
2.政見放送などの選挙に関する情報についてどう考えるか
3.国会での議論に関する情報についてどう考えるか
→つたわっていない。
■選挙の仕組み
1.選挙権、被選挙権に関する欠格条項(成年被後見人であること)をどう考えるか →見直し、拡充必要
2.投票所への移動支援をどう考えるか
3。投票所の物理的バリアーをどう考えるか →除去すべき
4.投票所内での障害に応じた必要な配慮をどう考えるか
5 投票所内で投票できない場合の現行の代替措置(郵便投票など)をどう考えるか
6.点字投票の場合における投票の秘密をどう考えるか
■政治活動
1.障害者が候補者としての選挙活動や政党の活動等に参加する際に必要な支援をどう考えるか
1.障害者が福祉や教育、人権等の公的活動を行う障害者の組織を結成し、参加する際に必要な支援をどう考えるか
→団体支援は世界的な流れ。個人と団体支援はそれぞれわけて
●藤井議長代理まとめ=・向いている方向はいっしょ いますぐ努力でできる部分もある。条約29条A項:政治的公的活動への参加は「効果的にかつ完全に」大事とある
○国会中継と記者会見 政治的生字幕がどうしてつかない!差別でなく「虐待」だ
○アメリカは字幕を義務づけ30年。韓国も字幕、手話画面がたくさんある
○藤井議長代理=「変わったね」と実感できること大事。理不尽な目の前のことには参議院選挙で変えたい。推進会議の初仕事として。

■東室長 今後の確認
・30日(火)障害児、医療、司法。難病は入れる方向で当事者のいる総合福祉部会で議論することにする。総合福祉部会は遅くとも次回には確定したい。4月12日=交通・建物・情報アクセス、所得保障、財政。
・4月からは、第2、第4の月曜日開催だが、第3月曜も開催したい。団体ヒヤリング・6つの省庁考えると
●福島大臣=鳩山総理に来てもらった。内閣上げてやっていくあらわれだ。熱心な議論をあじわってもらった。時間とおもいを共有できた!推進会議をよりエンジン部隊として、・当事者の発言は現実を変えていくとおもった。参議院選挙にむけて現実を変えていきたい。毎回宿題もらうがハードな推進会議をいっしょにやっていきましょう。

■内閣府障がい者制度改革推進会議    ○内閣府へ意見コーナー
<リンク>
内閣府 障がい者制度改革推進本部
障害者自立支援法訴訟の勝利をめざす会
目で聴くテレビ(CS放送)同時中継・各地傍聴する会(ろうあ連盟)
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