障害者問題研究 第44巻4号(通巻168号) |
JAPANESE JOURNAL ON THE ISSUES OF PERSONS WITH DISABILTIES 2017年2月25日発行 ISBN-984-7-88134-555-9 C3037 定価(2500円+税) |
特集 障害者権利条約の履行状況を検証する 特集にあたって 峰島 厚(立命館大学) てい談/条約履行義務の実行責任を問う 荒川 智 全国障害者問題研究会委員長 白沢 仁 障害者の生活と権利を守る全国連絡協議会事務局長 斎藤なを子 きょうされん副理事長 コーディネーター 中村尚子 本誌編集委員 諸外国の締約国報告,パラレル報告,総括所見の動向 ―第28条「相当な生活水準及び社会的な保障」をめぐって 佐藤久夫 日本社会事業大学 すでに障害者権利条約の総括所見が出された12の国をみると,第28条についての勧告があるのは障害分野への公的社会支出の少ない国を中心とした6か国で,勧告の主要内容は障害者団体のパラレル報告を反映していた.パラレル報告では統計的データが重視されていた.総括所見で締約国に勧告された内容は,一般人口と比較した障害者(性別・年齢別)の貧困状態を把握し,効果的な貧困対策を実施すること,障害に伴う追加的な出費の実態を把握しそれを補填する政策を実行すること,社会的保護をニーズに基づき地域格差なく実施すること,などであった.所得保障,住宅保障などわが国の障害者施策では遅れている分野であり,パラレル報告作りを契機に課題を明確にし,出される総括所見も活用しつつ,この分野の施策を前進させていくことが望まれる. インクルーシブ教育と合理的配慮に関する国際的動向 ―障害者権利条約教育条項の実施に向けた国連の取り組みと障害者権利委員会一般的意見NO.4 玉村公二彦 奈良教育大学 障害者権利条約第24条は,障害のある人の教育への権利を確認し,インクルーシブ教育とそのための施策の基本を規定した.本稿では,国連の取り組みとして,権利条約教育条項の実現のために,締約国会議,障害者権利委員会などで教育条項の実施についての議論の経過を国際的動向として跡づけた.また,各国の政府報告に対する総括的意見の状況を踏まえ,権利委員会で出された一般的意見No.4の内容をインクルーシブ教育と合理的配慮を中心に整理・検討した.この一般的意見No.4は,「インクルーシブ教育への権利」と題されたもので,インクルーシブ教育システムの構築を締約国に求めるとともに,障害に基づく差別を払拭し,他のものとの平等を実現する基礎として,合理的配慮の提供の必要を具体的に示すものであった.今後の国際的な動向にとって,この一般的意見は,重要な役割を果たすものと考えられた. 報告 19条 地域社会へのインクルーション ―暮らしの場の選択を可能にする支援 秋保喜美子・秋保和徳 広島県廿日市市在住,全障研廿日市サークル 聞き取り・構成/児嶋芳郎 広島都市学園大学 24条 教育の検証 ―発達を最大に保障する教育実現の課題」をめぐって 品川文雄 発達保障研究センター理事長 障害者権利条約27条「労働及び雇用」に関する日本の現状と課題 赤松英知 きょうされん常務理事 日本の締約国報告の特徴とNGOパラレルレポートの課題 薗部英夫 全国障害者問題研究会副委員長,日本障害者協議会副代表 ◆連載/実践に学ぶ @76歳の中三生 ―夢がかなった3年間 吉田 収 特別支援学校教員、川口貴生 特別支援学校教員 【吉田・川口実践に学ぶ】 学ぶことと生きることをつなぐ 河合隆平 金沢大学 A川越市における参政権保障のための市民運動と実践 小倉 崇 障害者の健康と権利を守る川越市民の会事務局長、社会福祉法人皆の郷 【小倉実践に学ぶ】 障害のある仲間とともに進める参政権獲得へのとりくみ 細野浩一 全障研埼玉支部・成人期サークル ◆連載/発達保障のために学びたい本 近藤益雄『この子らも・かく』ほか一連著作 平田勝政 長崎大学大学院教育学研究科 44巻総目次 ■障害者問題研究 バックナンバーへ |
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