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  2001年のはじまりに絵の具

新潟の能生という駅に非常停車している。
富山に向かう急行列車に乗り合わせているのだが、
前を行く普通列車が故障で止まってしまった。
動く気配はない。
21世紀の幕開けは、前途多難を感じさせて、
なかなかドラマチックのようだ。

年末、美空ひばりの歌番組を3時間半、見入ってしまった。
「悲しき口笛」「越後獅子」もよかったけれど、
「愛燦々」「川の流れのように」には、涙が出てきた。
「美空ひばり」なんて、けして見向きもしなかった自分が、意外だった。
彼女の歌の世界を共感的にとらえる年頃になったということだろうか。
たしかに、「応援歌」「癒し」の歌が欲しいのだ。

パレット「混迷」している。
語り合うと、まずため息がでる。
政治にはだれもがあいそを尽かしている。
怖いのは、政治家も官僚もマスコミも、
国民の「絶望感」をわかってはいないことだ。
経済は先行きが見えず、
たのみのITだってバブルのようで、
だれも救世主とは信じていない。
17歳の犯罪が繰り返し露出し、惨殺、自殺、、、
子どもも年寄りも障害者も、
こういう世の中では弱いものがまず苦しむ。
なんてぇ国だぃ。

20世紀は、戦争とそれに抗する平和と民主主義の100年だったといわれる。
一方、ユートピアの消滅していた時代とも指摘される。
地球を見渡せば、多国籍企業の爆走、自然環境破壊、貧困と差別、、
課題は山積している。
アメリカも欧州も模索のさなかにある。

21世紀は、いやおうなく、何を価値あるものとするか、
それぞれの思想と倫理が正面から問われる時代だろう。
それぞれが独立(インディペンデント)しつつ、連帯する
そんなネットワーク型の人のつながりが強く求められるはずだ。

ふるさとの川の夕暮れが好きだったので、娘を連れて行った。
「うわーー、きれい」
そんな小さな喜びや感動を一つ一つ大切に、
ああ、生きていてよかったといえる世の中をつくりたいと強くおもう。

2001年1月1日   薗部英夫

利根川の夕焼け
利根川の夕景

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