私にとっての20世紀 加藤周一 岩波書店 2000.11.28 NHKが4日間、20時間に及ぶ氏との対談を4夜連続で放送したのは印象深かった。その記録をもとに編集しなおしたのが本書。口語体をいかしながらじつにわかりやすく、それでいて一つ一つの言葉に深い教養と思想があふれる。 「一人の人の命が大事でない人は、ただ抽象的に何百万人の人の命のことをしゃっべても、それはただ言葉だけであって、本当に行動につながっていかない。行動につながるのはやはり情熱がなければならない。その情熱の引き金はやはり一人の人間、よく知っている人たちの存在です。 一日の中に永遠を見なければ永遠はない」。おもわず赤で線を引いてしまった。 (2001.1.10) |