記録 ホームヘルパー利用制限撤廃の闘い
+地域生活支援の在り方検討会 など        by SONOBE


■障害者(児)の地域生活支援の在り方に関する検討会
  厚生労働省のページ

第13回資料 2003.12.12
第12回資料  2003.11.26
第11回資料 議事録 2003.11.14
第10回資料 議事録 議事概要
第9回資料 / 議事録
第8回資料 / 議事録
第7回資料 / 議事録
第6回資料 / 議事録
第5回資料 / 議事録
第4回資料 / 議事録
第3回資料 / 議事録
障害者(児)の地域生活支援の在り方に関する検討会(第2回 2003.6.9)
障害者(児)の地域生活支援の在り方に関する検討会(第1回 2003.5.26 資料
第一回検討会 議事録

厚生労働大臣 閣議後記者会見概要
 (H15.05.27(火)9:30〜9:53  厚生労働省記者会見場)
(記者)
 
昨日障害者の団体とお会いになったと、障害者の検討会がスタートしましたけれども、今日この後介護保険についての見直しも始まるのですが、改めて今後の介護保険、それから障害者政策の将来の統合についての大臣の考え方とあと介護保険の二十歳への対象年齢拡大についてまとめてお願いします。
(大臣)
 障害者の皆さんは現在のところ、介護保険でやっていくということに対してはかなり抵抗をお持ちになってお見えになりますね。これは皆さん方のご意見というものも尊重していかなければならないというふうに思います。しかし全国規模で障害者に対する政策というものが充実していくようになりますと、この障害者に対する財政的な面での負担というのはかなり大きくなっていくことも事実でございます。その時に障害者に対する財政負担というものを、現在の一般財源から投入するということだけで、それが維持出来るかどうかということなのであろうと思うのです。その辺のところをこれから1年ないし2年かけてじっくりと皆さんともお話をして、そして合意を得ていく必要があるというふうに思います。ですから、今のところ介護保険に一本化するとか、しないとかというようなことをまだ言える段階ではないというふうに思っております。もう少しいろいろの議論をしてそこは決めないといけないというふうに思っているところです。介護保険の方だけを見ましてもかなり保険料が上がってまいりましたが、しかしその分今度はサービスの方は充実してきましたから、当然財政的にもそれは負担になるわけでありますから、その兼ね合いをどうするかということだろうと思います。今後は障害者との問題もございますが、介護保険と医療保険との関係を今のままにするのか、それとももう少し見直しをするのかといったこともあると思います。そんなことを総合的に少し考えていかないといけないのではないかというふうに思っております。

(記者)
 二十歳の関係につきましては。
(大臣)
 ですからそうした議論の中で、この問題は起こってくるわけでありますから、将来そうしたことが議題になることがあるかもしれませんけれども、現在の段階で、まだ30歳にします、20歳にしますという話まで議論はまだ煮詰まっていないし、もう少し医療保険や障害者の問題をどうけじめをつけていくかという、そうしたことも考えないといけませんから、大枠をもう少し議論をする時期だというふうに思ってます。

<検討会委員>
有留武司(東京都福祉局障害福祉部長)、安藤豊喜(全日本聾唖連盟理事長)、座長代理・板山賢治(浴風会理事長)、座長・江草安彦(旭川荘理事長)、大熊由紀子(大阪大学人間科学部教授)、太田修平(日本障害者協議会理事・政策委員長)、大谷強(関西学院大学経済学部教授)、大濱眞(全国脊椎損傷者連合会理事)、大森彌(千葉大学法経学部教授)、京極高宣(日本社会事業大学学長)、笹川吉彦(日本盲人会連合会長)、佐藤進(昴理事長)、高橋紘士(立教大学コミュニティ福祉学部教授)、竹中ナミ(プロップ・ステーション理事長)、谷口明広(自立生活支援センターきらリンク事務局長)、中西正司(DPI日本会議常任委員、全国自立生活センター協議会代表)、 早崎正人(大垣市社会福祉協議会在宅福祉サービス推進室長)、村上和子(シンフォニー理事長)、室崎富恵(全日本手をつなぐ育成会副理事長・地域生活支援委員会委員長)、森貞述(高浜市長)、森祐司(日本身体障害者団体連合会事務局長)、渡辺俊介(日本経済新聞社論説委員)

・検討会は公開され、この日も70名を越える傍聴者が参加。検討会は、2年間くらいかけて幅広い立場から障害者の地域生活支援のあり方について議論をする。今後1か月に1〜2回のペースで開催される予定。6月〜8月は、委員の意見交換、先進事例のヒアリング、関係者からのヒアリングなどが行なわれ、9月に各論に入る予定。


■ホームヘルプ、グループホーム単価引き下げ白紙撤回に! 

12月17日、
高原弘海厚生労働省障害福祉課長は、
全障研も参加しているJD(日本障害者協議会)や日身連、DPI、育成会など7団体の要請に対し、
来年度のホームヘルプ、グループホームの単価「見直し(切り下げ)」について、
「申し訳なかった」「白紙にもどしたい」「事業は現状を当面維持する」、
「今後は『障害者(児)の地域生活支援の在り方に関する検討会』にて検討いただけるようにしたい」
と述べ、事実上の白紙撤回となりました。

この問題では、ホームヘルプ関連で今年度50億円の不足、
居宅支援費では100億円不足が明らかになった中で
(厚労省は支援費制度スタートの際には十分足りる予算を確保したと言っていましたが(^^;))、
障害福祉課は「やりくりを考えたい」として、
来年度のホームヘルプ、グループホーム単価基準の見直し、
 http://www.kyosaren.or.jp/news/2003/1215_1.htm
を打ち出しました。

これに対して7団体は統一して、
1. 現状でこのような大幅な見直しをすることは時期尚早であり、貴省の案を白紙に戻し、互いの信頼関係を保ちつつ、障害者(児)の地域生活支援の在り方に関する検討会で議論すること。
2.なお、今回、同様に来年度予算に関する見直しとして示された「平成16年度に向けたグループホームの事業運営の見直し(案)」についても白紙に戻し、当事者・関係者との信頼関係を保ちつつ検討を進めること。
を強く要望し、本日の白紙撤回となりました。

問題は先送りされたという面はありますが、とりあえずの大事な前進です。

■とりあえずの笑顔と新しい決意
    支援費ヘルパー利用制限をストップ


 4月から実施される支援費制度で、ホームヘルプの利用時間を1日4時間(月120時間)に実質的に制限する国の動きが年明け早々に明らかになりました。「国庫補助金の配分のため利用時間の基準を設定する」というのです。これは24時間の介助を必要とする重度障害者などには日常生活そのものがなりたたなくなることを意味します。
 この厚生労働省の突然で理不尽な動きに対して、わが国のすべての障害者団体を意味する日本障害者協議会(JD)、日本身体障害者団体連合会(日身連)、全日本手をつなぐ育成会、そしてDPI日本会議の4団体のよびかけで大きな運動の輪が広がり、ついに国のやり方をストップさせました。この問題が投げかける支援費制度の問題点、運動の成果と今後の課題について考えてみました。  (全障研全国事務局 薗部英夫)
      *
■不十分な障害者基本計画と新障害者プラン
 年末ぎりぎりに発表された「障害者基本計画」と数値目標を示す「新障害者プラン」には障害者団体から失望の声が寄せられました。支援費制度という大きな制度変更が4月から強行されるにもかかわらず、障害者の意見は十分反映されませんでした。
 JDは、「基本的な問題を先送りとした」と批判し、「現状においては、地域施策が脆弱な中、施設にさえ入所することができず、極限的な生活を送らざるをえない障害の重い人たちの数は少なくない。この現実を踏まえ、十分な財政措置を行い、グループホームや介護体制など地域社会における支援体制をきちんと確立すること」を声明していました。
 ところが厚労省は、一片の「事務連絡」で、いままで「目玉」としていた「市町村障害者生活支援事業」と「障害児(者)地域療育等支援事業」を「一般財源化」しました。財政基盤の弱い市町村には「やめろ」に等しいことです。
 そして、年明け早々、ホームヘルプの利用時間を制限する動きが明らかになったのです。

■怒り、不安、そして希望
 「今日は町田(東京の南西部)から朝4時に出てきました。通勤ラッシュで電動車いすではもうたいへんだったけど、生活かかってるから、命かかってるから、負けられない」
 1月16日、「緊急の集い」開始の1時間前には厚生労働省1Fロビーはすでに100名を越え、続々と人がやって来ます。呼びかけたのは「ホームヘルプの使用制限を許さない」の一点で大同団結した4団体です。これは、わが国の障害者運動の歴史上はじめてのことでした。
 各団体の代表は、「岩のように動かない団体といわれたが、やむにやまれず全国からやって来た」「選べる福祉をと言っておいて、ヘルパーには利用制限、地域支援センターは一般財源化というのはどう見ても不合理。それを突然一方的に発表する。どうしても納得できない」「なんとしても撤回を!」などと発言。集い参加者は1200名となり、大規模な緊急行動となりました。全障研は、JDの加盟団体として参加し、派遣理事も積極的に情報発信等に努力しました。
 しかし、厚労省の強固な基本的姿勢は変わりませんでした。
 ところがインターネットを活用して障害者自らが怒りの情報を交流しあい、東京や大阪など20を越える自治体からも「緊急要請」が届けられました。自民、民主、共産、社民各党の国会議員も動きました。マスコミはこれを社会問題として大きく報道し、「障害者の声を聞け」と大新聞も社説しました。障害者の小さな声が大きな絆となり、世論を興したのです。情勢は変わりました。

■「巨大戦艦を車いすが止めた」!
 道理ある要求と、それを支持する大きな世論の中で、厚労省は、27日、文書で「個々人の支給量の上限を定めるものではない」「現在提供されているサービス水準が確保される」「検討会をできるだけ早い時期に設置する」(資料参照)とし、4団体は基本的に合意しました。国の理不尽で強引なやり方をたしかにストップさせたのです。
 翌日、厚労省の担当課長会議では、冒頭、議事次第では企画課長の挨拶のところを上田茂障害保健福祉部長が挨拶し、この間のことについて「十分な意思疎通をはかれず、配慮が足りなかった」「ホームヘルプでは、全国どこでも一定の水準のサービスの提供をバランスのとれたものにしたい」「国庫補助基準は、市町村に対する補助金の交付基準であって、個々人の支給量の上限を定めるものではない」と強調しました。
 また、「障害児者地域療育等支援事業(35億円)」「市町村障害者生活支援事業(21億円)」を含む一般財源化については、「芽出し」として「見直す」ものの、「ひきつづき事業の実施が確保されるようお願い」し、一定の暫定措置を示しました。
 課長会議の朝500名が参加した「報告集会」で最後に発言したJD藤井克徳常務理事(きょうされん常務理事)の言葉です。「ホームヘルプの上限問題は障害者の命を削る問題だ。それを厚労省は突然発表した。その姿勢は許されない。しかし、日本のすべての障害者団体を意味する4団体が結集して、今回の結果を出せたことは大きな意味がある。1月16日、28日の4団体の結束は歴史に残る新しい動きだ。介護保険、年金制度見直しなどさらに大きな課題に対して、新しいスタートをきりたい」。

■ひとりの願いをみんなの願いに束ねわせて
 深刻な不況、リストラ、賃下げの暗鬱な状況にもかかわらず、巨大土木事業や大銀行優先で、福祉、教育はバッサリ切りすて。加えて健康保険の3割負担、介護保険値上げ、さらには消費税の大幅増税が大手をふっている政治情勢です。こうした中で、国の強引な動きを、4団体の団結でストップさせたことは大きな成果です
 しかし、きょうされんが全国すべての市町村に実施した調査で明らかになったように、在宅福祉の柱となるホームペルパー、デイサービス、ショートステイの3事業を完全に整備している市町村はわずか1%にすぎません。
 国は「障害者が自由にサービスを選べる」のが支援費制度といいながら、その選ぶべき「サービス」=社会基盤は市町村に無いのです。さらに国は、その責任を地方自治体に押し付けようとしています。一方、地方自治体は、この制度導入を機に独自施策や「うわのせ」を縮小・廃止する動きです。
 私たちは、ひきつづき行政の動きを厳しく監視するともに、一層支援費制度や介護保険見直しなどの情勢を学習するとともに、それぞれの地域で、障害者一人一人の願いや要求にあらためて深く学び共感を深めながら、積極的に地域障害プラン作成や教育をめぐる要求運動などとも連携しながら情勢を変える大きなうねりをつくっていきたいものです。    (全障研しんぶん3月号)


■1.28報告集会+支援費制度担当課長会議

昨日までの寒さから気候は一変。春を感じさせる暖かな日比谷公園界隈です。
午前9時半ごろから集まり始めた500名をこえる人々は、
10時半から正午すぎまで、幾重にも輪をつくりながら
それぞれの団体の代表たちの発言に拍手していました。
笑顔で記念撮影するグループもみられます。

障害者の小さな声が大きな絆となり、世論を興して、
国の理不尽で強引なやり方をたしかにストップさせたのです。

最後に発言した、JDの藤井克徳常務理事。
・ホームヘルプの上限問題は障害者の命を削る問題であり、もっともベーシックな問題だ
・それを厚生労働省は突然発表した、その姿勢は許されない
・しかし、日本のすべての障害者団体を意味する4団体が結集して
 今回の結果を出せたことは大きな意味がある
・1.16、1.28の4団体の結束は歴史に残る新しい動きで、ターニングポイントだ
・もっと大きな課題に対して、新しいスタートをきりたい

写真1
会場となった日比谷公園
写真2
マスコミの報道も風をよんだ
写真3
国会議員とも連携した
石毛えい子(民主・衆)、井上美代(共・参)、
小池晃(共・参)、中川智子(社民・衆)、
堀利和(民主・参)、山井和則(民主・衆)のみなさん

午後1時半から5時半すぎまで、厚労省の講堂で、
担当課長会議が開催されました。
わたしは傍聴者として参加しました。

写真4
厚労省講堂での担当課長会議

会議の冒頭、議事次第では企画課長の挨拶のところを
上田部長が挨拶し、
この間のことについて「十分な意思疎通をはかれず、配慮が足りなかった」
「ホームヘルプでは、全国どこでも一定の水準のサービスの提供を
 バランスのとれたものにしたい」
「国庫補助基準は、市町村に対する補助金の交付基準であって、
個々人の支給量の上限を定めるものではない」
と強調しました。

会議では、問題になっている
 障害児者地域療育等支援事業(35億円)
 市町村障害者生活支援事業(21億円)
を含む160億円の在宅福祉事業費補助金の一部等の一般財源化について
「芽出し」として「見直す」ものの、
「ひきつづき事業の実施が確保されるようお願い」し、
一定の暫定措置を示しました。

闘いは続きます。

以下は、関連する重要な資料です。

障害者ホームヘルプサービスに関する国庫補助金の取扱いについて(PDFファイル)

支援費制度施行後の障害者(児)に対する相談支援体制について(PDFファイル)

利用者負担基準(PDFファイル)

支援費制度担当課長会議資料(全資料) 1.28 (WAMNET)

(以上 文責 JD情報通信委員長 薗部英夫)


(全国障害者問題研究会「みんなのねがいWeb」掲示板より)
■霞ヶ関のもうひとつのたたかい 投稿者:ハンドマイク隊 ポン太  投稿日: 1月31日(金)14時39分56秒

28日のヘルパー上限問題報告集会で、厚生労働省前から日比谷公園に向かう500名を誘導しました。
連日の霞ヶ関通いで、もうすっかり周辺にくわしくなっている車いすの人たちにまじって、
「主催者の人ですか?教えてください」と息せき切って駆け寄ってくる人がいました。地下鉄の「霞ヶ関駅」の駅員さんでした。
「集会の終了時間を教えてください。それからもうひとつ。今日が最後になりますか?」と。
終了予定時間と集会の趣旨などを簡単にお伝えすると、
「そうですか? とりあえずは終わるんですね」と思わず笑顔が・・。
車いすを受け入れる構内アナウンスが途切れることなく続いていた16日(1200名集まった寒い寒い日です)のことなど思い出しながら、
この間の駅員の皆さんのご協力に心から御礼を申し上げ、そのご苦労の一端をお聞きしました。

「この2週間、近隣の駅からのべ100名以上を動員して態勢をとりましたが、追いつかずにご不便をおかけしました。
しかし、何よりも駅で大きな事故等がなくほっとしています。今日の帰りまで気を抜かずに安全を守りたいと思います」
「駅員さんがこの間どんどん減らされて、お仕事が大変だと聞きます」と言うと、
「そうですね」と。

そこに、集会に参加していた視覚障害の青年が
「僕たち視覚障害者は、3人に1人が駅のホームに落ちたことがあるんです。
自動化等ハード面はたしかにエネルギーだけど、人はエンジン。エンジンがなければエネルギーだけあっても仕方がない」
という話をすると、
「事故は多いとは聞きましたが、3人に1人ですか・・・。おっしゃる通りです。結局は大切なのは人です」
ときっぱり。

今回のヘルパー問題についても
「何か大変なことが起きている、と思い、毎日、新聞を繰りました。難しいことはわかりませんが、いのちの問題ですから、
他と同じように予算がない!では済まされない問題ですよね」と。
その通り! いのちの問題は駅も同じこと。
公共の駅の重要さや障害者にとってのアクセスの困難さ、安全の大切さ等も必死で伝えると、頷いて聞いてくださいました。

その後、この2週間のことをもう少しお聞きすると・・・
「いろいろ「上」(駅の上のこと。厚生労働省のことです)であったのか、トイレのご不便があったようで、だいぶご利用いただきました。
薬等も準備しましたが、病人搬送用の毛布も近隣の駅から取り寄せました。駅で仮眠された方もいます。・・・」

極めつけが
「霞ヶ関の職員は16日以降は帰らずに、24時間態勢で対処しました。私たちも一緒にたたかってきたような思いです。本当によかったですね」
と。

本当にご苦労をおかけしました。
駅員さんたちによる「霞ヶ関のもうひとつのたたかい」も報告集会をもってとりあえずは幕をとじたわけですが、
駅員さんたちとともに、がんばらなければならないことはもっともっとある、と強く感じた次第です。

たたかいは、まだまだ続きます。


■速報 28日抗議集会は「報告」集会へ

28日厚生労働省前の「緊急のつどい」へのよびかけには、
本当に多くの方々にさまざまなご支援をいただき、こころから感謝いたします。

このホームヘルプの利用時間「上限」問題では、
16日の4団体の「緊急のつどい」以降平行線でしたが
24日から週末に大きな動きがあり、本日、1月27日午後2時、
厚生労働省は以下に添付する回答を4団体の代表に文書で示しました。
これを受け4団体は基本的に合意しました。
国の理不尽で強引なやり方をストップすることができました。

ひきつづく運動による監視と提言活動は前提ですが、
厚生労働省には、文書で示させた
 「個々人の支給量の上限を定めるものではない」
 「現在提供されているサービス水準が確保されるよう」
 「検討会をできるだけ早い時期に設置する」
などを誠実に実行させましょう!

明日28日、午前10時半に4団体がよびかけた「つどい」は、
この基本的な合意を受け、抗議の集会から、
この間の問題の経過説明と今後の課題を確認しあう「つどい」となります。

この回答への正式なコメントについては、日本障害者協議会(JD)として、
数時間後に述べさせていただきますが、明日の「つどい」参加を予定されている方はもちろん、
より多くの人たちに、小さな声が大きな絆となり、世論を興して、
国の理不尽で強引なやり方をストップさせたことを、どうぞお知らせください。

明日、「つどい」は厚生省前から日比谷公園に移動して開催されます。
参加できる方は、とりあえずの笑顔と、新しい決意でお会いしましょう。

 日本障害者協議会(JD)
 情報通信委員長 薗部英夫


■厚生労働省よりの回答
 今回の国庫補助基準に関する考え方

1.今回、新たに適応される障害者ホームヘルプ事業の国庫補助基準は、市町村に対する補助金の交付基準であって、個々人の支給量の上限を定めるものではない。

2.今回の国庫補助基準は、現在の平均的な利用状況を踏まえて設定するものであり、今後、支援費制度施行後の利用状況等を踏まえ、見直すこととする。

3.国庫補助基準の設定に当たっては、現在提供されているサービス水準が確保されるよう、現状からの円滑な移行を図ることとし、従前の国庫補助金を下回る市町村については、移行時において、原則として、従前額を確保するものとする。

4.検討会をできるだけ早い時期に設置することとし、支援費制度下におけるホームヘルプサービスの利用や提供の実態を把握した上で、在宅サービスの望ましい地域ケアモデル、サービス向上のための取組等、障害者に対する地域生活支援の在り方について精力的な検討を行うこととする。
 また、国庫補助基準については、支援費制度施行後のホームヘルプサービスの利用状況等を踏まえ、検討会において、その見直しの必要性について検討するものとする。
 なお、検討会の運営等については、利用者の意向に配慮し、利用当事者の参加を求めるとともに、公正な運営が確保されるよう、適切な委員構成とする。

5.今後とも、ホームヘルプサービスについては充実を図るとともに、そのために必要な予算の確保につき、最
大限努力する。

■JDの公式報告1.27夜(太田修平政策委員長)


■1月28日(火)天王山! 厚生労働省に!!

1月28日(火)に最大規模の統一行動がよびかけられましたのでみなさんにお知らせすると共に、
ぜひ、この日、厚生労働省に来ていただけますよう、こころからお願いします。

以下、本日の「JD e-Letter」
 日本障害者協議会(Japan Council on Disability)
 http://www.jdnet.gr.jp/
より、情報をお知らせします。

支援費制度がらみの「ホームヘルプサービス」の「上限規定」をとりいれることを明らかにした厚生労働省に、
1月16日(木)、わが国のほとんどすべての障害者団体を結集する
日本障害者協議会(JD)、日本身体障害者団体連合会(日身連)、全日本手をつなぐ育成会、DPI日本会議の4団体のよびかけで
1200名の大規模な緊急の行動が行われました。
こうした中で、東京都や大阪府など少なくない自治体や政令都市などからも
障害者団体と同様の「緊急の要請」が厚労省に届けられています。

しかし、その後、厚生労働省の基本的姿勢は変わっておらず、
21日に開催された都道府県担当部長会議では、
すくなくともまだ報告はしないでほしい!の障害者団体の要請にたいし、
事実上の発表をしました。

このため、状況の打開策について、4団体で打ち合わせが行なわれました。
そこでは、厚労省の強行的な基本姿勢は変わっておらず、上限設定の強行突破を図ろうとしているという共通認識のもと、
1月28日(火)開催予定の全国課長会議にあわせて、
再度、4団体による最大規模の統一行動を組んでいくことが確認されました。

また、政党関係ではこの間、民主党や共産党がそれぞれ障害者団体と同様の申し入れをしています。
社民党は、はじまった国会で質問しています。
1月24日(金)には、自由民主党本部で八代衆議院議員の同席のもと、
厚労省障害保健福祉部の足利企画課長、郡司障害福祉課長との懇談を確認しました。

1月28日(火)の4団体による厚労省統一行動は、午前10時30分より開始されます。
厚労省の対応いかんによっては抗議行動となります。

現在、厚労省のガードは厳しく、庁舎には入れない状況と思われます。
厚労省前の野外での行動になると思われますので、防寒をしっかりした上で、
一人でも多くのみなさんの参加をよびかけます。

(文責 日本障害者協議会 情報通信委員長 薗部英夫)

---
上記は多くの方に転送を希望します。


「1.16緊急のつどい」現地レポート(JD薗部情報通信委員長) (詳細)

集会
厚労省玄関前 10:30
集会
厚労省前 10:30
交渉団
交渉団 11:00
厚労省関係者
厚労省関係者 13:30頃

JDの公式報告(太田政策委員長)

■4団体の統一要望書

2003年1月17日
厚生労働大臣 坂口 力 殿

要 望 書

拝啓 平素より、貴殿の障害者福祉へのご尽力に感謝申し上げます。
 私たちは、ホームヘルプサービスを利用し地域で生活する重度障害者及び家族を会員に持ち、また、その生活を支援する団体です。
 今回、貴省におかれましては、4月から実施される支援費制度において、ホームヘルプサービスの国庫補助金の交付基準の中で利用時間について検討されています。貴省は市町村への補助金交付の仕組みであって、支援費の支給量を縛るものではないと主張されますが、私たちは市町村においてはこの基準が実質的な上限になると懸念しています。これまで貴省はホームヘルプの上限を外し、自薦ヘルパーなどヘルパーを柔軟に確保して障害者のニーズに応じた派遣を行うよう、各自治体に対して障害保健福祉主管課長会議等で説明していました。従って、今回の方針変更を聞いた多くの障害者が今後のホームヘルプ利用に強い不安を感じており、先だっての1200人を越える抗議集会へとなった次第です。
 また、15年度政府予算内示においては、概算要求の段階では重点項目だった市町村障害者生活支援事業と障害児(者)地域療育等支援事業が突然の地方交付税措置となりました。この結果を受け、各都道府県、市町村は混乱し予算確保もままならず、支援費制度の要となる地域での相談支援機能について危ぶまれています。
 貴省におかれましては今後も障害者の地域生活を推進されるよう、以下を要望します。

 敬具

 記

1.直ちにホームヘルプサービスに関する検討委員会をホームヘルプサービス利用当事者
  過半数で作ること。
2.15年度は現状のホームヘルプサービスの国庫補助金交付の仕組みを変えずに行い、支   
  援費の単価で現状の仕組みに不都合があるか調査研究をすること。
3.市町村障害者生活支援事業と障害児(者)地域療育等支援事業について地方交付税措
  置をとりやめ、国庫補助金制度にもどすこと。
4.上記3点に対して早急に検討し、1月24日までに厚生労働大臣から回答をいただきたい。
  
[呼びかけ団体]
    社会福祉法人 日本身体障害者団体連合会 会長 兒玉 明
    〒171-0031 東京都豊島区目白3−4−3
    TEL 03−3565−3399 FAX 03−3565−3349

    社会福祉法人 全日本手をつなぐ育成会 理事長 緒方 直助
    〒105-0003 東京都港区西新橋2−16−1 全国たばこセンタービル8F
    TEL 03−3431−0668 FAX 03−3578−6935

    日本障害者協議会 代表 河端 静子
    〒162-0052 東京都新宿区戸山1−22−1 
          (財)日本障害者リハビリーテーション協会内
    TEL 03−5287−2346 FAX 03−5287−2347

    特定非営利活動法人 DPI日本会議 議長 山田 昭義
    〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台3−2−11 総評会館内
    TEL 03−5256−5365 FAX 03−5256−0414

           [連絡先] 全国自立生活センター協議会
          〒192-0046 東京都八王子市明神町4−11−11−1F
          TEL 0426-60-7747  Fax 0426-60-7746   


■関連する情報

・日本障害者協議会(JD)緊急要望書

・新聞ニュース
 ・朝日)社説「地域福祉の名が泣く」1.24
 ・毎日)社説「障害者支援費 厚労省は障害者の声を聞け」 1.23
 ・毎日)支援費制度:障害者のヘルパー利用時間に上限 厚労省が一転
 ・毎日)障害者団体:「支援費制度」で局長交渉へ 「上限」撤回求める


2003.5.29 更新

■ もどる