北欧の国から 8


93/10/11 21:30:27 NGI00001 Re00828 北欧の国から(14) コペン市警日曜日

まこさんが、日曜日の朝からお姉さん二人と、運河の船に乗り、
地上とはまた違った視点でコペンハーゲンの街並を眺めていたころ事件は起こっていた。

結論的にいうと、あるメンバーのウエストバックがちょっとしたすきにホテルのレストランで盗まれた。
それは、みごとなくらいあざやかに盗まれた。
プロの手口としかいいようがない。

呆然とするメンバーと、
「パスポートが盗まれなかったのが不幸中の幸いです」と冷静にいう
(ほんとにそうで、そのバックにパスポートがはいっていたら旅の途中で
日本に帰らざるをえないところだった)
旅行社のFさんといっしょに、
被害届だけは出してしておこうと、
コペンハーゲンの閑静なビル街の奥にある、コペンハーゲン市警を訪ねた。

待つこと10分。
大男だが、でも感じのいい好青年といった感じの警察官があらわれ、
われわれに英語でいろいろ質問し、
その答えを、ワープロで調書にしていった。

「見つかればご連絡しますが、中味が現金とトラベラーチェック、それにカードでは、、、、」
「なんとかこの間の講義ノートだけでも返してもらえないか」
といっても、客観的状況は万国共通というところだろうか。

しかし、日本の警察ならば、
なんだなんだと強面のお兄さんたちが好奇心を全面にしてでてくるところなのだが
コペンの警察はデスクの裏にはデンマークビールがけっこうおいてあったり、
会う警官、会う警官もそれぞれ東洋人の災難に同情的でやさしかった。

警察の帰り道、
外は晩秋のカチッとした空気の中にあった。


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