教育基本法改悪法案の強行成立に抗議します

　２００６年１２月１５日は、わが国の歴史に汚点を残す日となりました。

　安倍内閣が最重点課題と位置づけた改悪教育基本法案は、慎重で徹底的な審議を願う広範な国民の声を無視し、議会制民主主義を壊し、強行成立しました。日本国憲法、１９４７年教育基本法および子どもの権利条約に拠りながら、障害児の豊かな発達を願い、教育実践と教育運動をすすめてきた私たちは、この暴挙をけっして許すことはできません。

　１９４７年教育基本法が国民のための教育のあり方を示したものであるとすれば、改悪教育基本法は時の政治権力に奉仕する教育のあり方を示した全く異質の法律です。その本質は、教育を国民の権利から国家への義務にすりかえるものであり、国が教育内容に直接介入できる道すじをつくり、その「目標」に「国を愛する態度」を書き込んだことにあります。これらが憲法に違反することは明らかです。「戦争をする国づくり」にまっすぐにつながります。

　「戦争をする国づくり」のもとでは、障害者のいのちと権利がないがしろにされることは、歴史の示すところです。教育に競争とふるい分けが押しつけられるとき、排除の論理が通るとき、画一性が強調されるとき、真っ先に障害者の発達と権利は奪われます。

　改悪教育基本法は、国民の教育への願いと両立しないどころか、教育現場での困難と矛盾を深めることはまちがいありません。そのとき、私たちは日本国憲法と子どもの権利条約を拠り所にしながら、教育基本法改悪反対のたたかいでつちかわれた力を集め、広範な国民とともにたたかいの輪を広げたいと思います。

　いま、すべての人びとのいのちと尊厳を守る教育を保障するため、そして障害者を生み出す最大の暴力である戦争への足がかりをつくらせないため、教育基本法改悪法案の強行成立に強く抗議します。

　　　２００６年１２月２３日
　　　　　　全国障害者問題研究会常任全国委員会