障害者問題研究52巻3号 障害のある人の人権と社会保障裁判 刊行しました
「障害者問題研究」52巻3号 特集=障害のある人の人権と社会保障裁判
JAPANESE JOURNAL ON THE ISSUES OF PERSONS WITH DISABILTIES
ISBN-984-4-88134-207-7 C3036 定価2750円(本体2500円+税)
特集 障害のある人の人権と社会保障裁判
特集にあたって
山本 忠 立命館大学教授
鼎談 障害のある人の人権と社会保障裁判
井上英夫・藤原精吾・藤井克徳
進行・まとめ 本誌編集委員 山本 忠
井上英夫 1947 年生.金沢大学名誉教授.日本高齢期運動サポートセンター理事長.日本社会保障法学会代表理事,厚労省ハンセン病問題検討会委員長,最高裁特別法廷問題有識者委員会座長などを歴任.
藤原精吾 1941 年生.1967 年弁護士登録.堀木訴訟,原爆症認定集団訴訟,優生保護法訴訟,障害年金裁判などを担当.日本弁護士連合会副会長,同人権擁護委員長などを歴任
藤井克徳 1949 年生.1982 年都立小平養護学校教諭退職.あさやけ作業所や共同作業所全国連絡会(現・きょうされん)結成に参加.日本障害者協議会代表,きょうされん専務理事などを歴任.
社会保障裁判の展開と障害のある人の人権の到達点
濵畑芳和 立正大学社会福祉学部
障害のある人が提起した社会保障裁判とその展開について,1960 年代から現代にかけて権利確立期,権利転換(反動)期,権利発展期に区分して,代表的な訴訟をとりあげ紹介し検討した.障害のある人が自身の権利侵害に対して,訴訟を提起することにより自身の権利救済を求めるとともに,社会に対して障害のある人の人権問題を問うてきた.社会保障裁判は,障害のある人のみならず,支援者,運動団体や弁護士,研究者も加わって社会運動を形成し,これらの人々の不断の努力によって,差別的な人権侵害への救済を図りつつ,国際的な人権保障の水準に近づける社会改革を促しながら,障害のある人の人権の獲得と進歩に寄与してきた.
障害者自立支援法違憲訴訟の意義と今後の展開
藤岡 毅 弁護士,障害者自立支援法違憲訴訟全国弁護団事務局長
障害者自立支援法違憲訴訟は,「応益負担」を導入した障害者自立支援法は障害者の尊厳を傷付け,平等権,生存権等を定めた憲法に反し,違憲・違法であるとして,国及び自治体を被告として全国
14 地裁で行われた訴訟である.基本合意文書が締結され,その後の制度改革に影響を及ぼした.また,基本合意を履行しているかを検証する定期協議が
14 年間で14回実施されている.
報告
障害福祉サービスと介護保険をめぐる訴訟
65歳問題と浅田訴訟,天海訴訟
弁護士 呉 裕麻 弁護士法人岡山香川架け橋法律事務所
報告
24時間介護保障訴訟における到達点と課題
金川めぐみ 和歌山大学経済学部教授
報告
駅無人化反対訴訟の意義とその現状
弁護士 徳田靖之 大分市・徳田法律事務所
報告
視覚障害を理由とする不当配転訴訟
何故,大学での教壇復帰は果たされないのか
山口雪子 岡山短期大学
連載/実践に学ぶ
【報告】特別支援学校高等部の実践
映画づくりに青春を燃やす
〝優しくユーモアに溢れるZくん〟が友達に受けとめられるまで
渡邊陽香 京都府・特別支援学校教員
【渡邊実践に学ぶ】
青年期の内面的成長を支える集団活動を通した授業づくり
寺川志奈子 鳥取大学地域学部
連載/実践に学ぶ
【報告】障害者作業所の実践
「自分らしく働き,暮らす」を支援する
日下部育子 社会福祉法人亀岡福祉会 第三かめおか作業所 管理者
日下部実践に学ぶ
「生活まるごと」を見つめ,温かい声かけを大切に
山田宗寛 立命館大学産業社会学部
連載/ワイドアングル 第27回
包括的性教育
〈4 つの柱〉に着目して
堀川修平 埼玉大学ダイバーシティ推進センター
動向
恵庭市の障害者虐待事件について
弁護士 船山暁子 札幌市・ルピナス法律事務所
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日時 2025年1月9日(木)18時30分~21時/zoomミーティングによる開催
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