大会アピール 2023年8月6日 成功裏に終わる

大会アピール  2023年8月6日

大会アピール


 2023年8月5日、6日、私たちは「つながる つなぐ #発達保障 #みんなのねがい」をテーマに掲げ、オンラインコミュニケーションシステムを用いて、第57回目の全国大会を開催しました。

  2020年の新型感染症の拡大から4年目、政府はCOVID-19の感染症法上の位置づけを引き下げましたが、感染症の流行そのものが終息したわけではありません。私たちのなかまのうちには、いのちと健康を守る上で細心の注意と配慮を必要とする人たちがあり、そうした人たちの身近で暮らし、働く家族や職員がいます。そのことに十分に意を用いつつ、出会い、集い、語り合う研究会の新しいあり方を創り出すために必要な時間をかけたいと考え、今年度の大会は完全オンライン開催としました。全国各地 から1000人を超える方の参加を得て、充実した研究大会を開催することができました。

  大会基調報告は、各ライフステージにおける発達保障の課題を示し、困難の中に潜むねがいを深くとらえること、つながって学び合うこと、私たちの足元から平和と人権を展望することなどを訴えています。白石正久さん、白石恵理子さんによる記念講演では、月刊誌『みんなのねがい』での連載とも響き合いながら、障害のある人たちやその家族と永年にわたって寄り添いながら臨床と研究を進めてきた経験をもとに、障害のある人たちの発達要求をとらえること、障害のある人とその家族のねがいに学ぶことなどの意味が提起され、発達保障という考え方の今日的な意義と課題について深く考えあいました。

 19のテーマの下に開かれた分科会には、全国から58本(フォーラム含む)のレポートが寄せられました。いずれも、障害のある人々とその家族のねがいを知り、それにこたえる実践を作り上げていくための貴重な努力を示しています。ライフステージごとのフォーラムでは、障害のある人たちの権利保障をめぐる今日的な課題を語り合い、学び合いました。4人の講師による学習講座もまた、障害のある人たちとその家族のねがいに応えるすじみちと、その今日的な課題を学ぶ機会となりました。記念講演と学習講座は、9月中旬まで配信します。開催日程では大会への参加がかなわなかった方にも、ぜひその内容を伝え、学びを広げたいと思います。

  昨年9月の国連・障害者権利委員会による総括所見は、この国に暮らす障害のある人たちの人間的諸権利の実現にむけて、「障害」の認識のしかたや、権利保障の基本的な考え方から始まって、暮らし、教育、労働、政策決定への参加など、実に多面的な課題が残されていること、それらに対する政府のとりくみがはなはだ不十分なものであることを指摘しました。国連によるこの指摘を深く学び、総括所見を、障害のある人たちの権利を保障する方向で生かしていくうえでも、私たちの研究運動の役割は大きいものがあります。私たちは、一人一人が、お互いの力を尽くして、目の前の障害児者・家族のねがいに学び、障害者権利条約と総括所見を活かして、障害のある人の権利保障、発達保障を進めたいと思います。 より多くの方が、この取り組みに参加し、力を寄せていただくよう呼びかけます。

 2023年8月6日
 全国障害者問題研究会 第57回全国大会(オンライン2023)

 

2023年08月06日