3月16-17日 発達保障研究集会・京都
第32回発達保障研究集会
日時=2024年3月16日(土)13時~18時/17日(日)9時30分~12時
会場=京都教育大学
京都市伏見区深草藤森町1番地
JR奈良線:JR藤森駅下車 徒歩約3分/京阪本線:墨染駅下車 徒歩約7分
発達保障研究集会のお誘い
◎新自由主義は、社会の隅々に市場の論理を貫かせるために、発達保障が大切にしてきた平等、共同、民主主義を市場競争を妨げるものとして徹底的に排除します。福祉現場では効率性や合理性を追求する実践のマニュアル化が進み、教育現場でもPDCAサイクルによる実践の管理・統制が強められてきました。こうして自由な実践が制約されるなかでも、障害のある人たちのねがいを受けとめ、豊かな発達を保障しようと実践がねばり強く続けられています。
今回は、職員の育ちに目を向けることで、実践現場に広がる職員の個別化や分断を乗り越え、一人ひとりが実践の主体として育つとともに、仲間と学び合い、育ち合える職員集団をどのようにつくりだすことができるのかを深めたいと思います。市場の価値や論理では捉えられない、障害のある人のねがいをつかみ、私たちの発達保障実践の価値を明らかにしながら、人間らしい発達、生活、労働の中身を深めたいと考えています。私たちの実践を息苦しくさせている社会の構造を見すえながら、発達保障労働が社会的に承認されるための研究運動の課題を学び合いましょう。
本集会は、久しぶりの対面開催となります。じっくりと語り合い、学び合える集会となるよう準備を進めております。多くのみなさんのご参加をお待ちしています。
全障研研究推進委員長 河合隆平
《1日目》
■全体会13:00~15:00
講演「発達保障実践における職員の育ちと集団化」深谷弘和さん(天理大学)
教育・福祉を問わず、現在の実践現場では、貧困な条件のもとで多忙化に追われ疲弊するなかにあって、なんとか障害のある人たちの豊かな発達や生活を保障しようと日々苦悩しながら実践に向き合っています。深谷さんは『障害者問題研究』や『みんなのねがい』でそうした現状や問題について論じてきました。今回の全体会では、新自由主義下の発達保障労働の価値と専門性についてお話していただきます。実践現場の困難とそれを引き起こしている新自由主義という社会構造・政治状況をふまえて、発達保障労働の価値と専門性が社会的に承認されるためには何が必要か、そして私たちの実践の展望と可能性について考えます。
■課題研究 15:30~18:00 3つの分科会のいずれかを選んでください
課題研究1 乳幼児期 乳幼児期を支える療育実践とは~並行通園の実践を通して考える
〈情勢報告〉藤林清仁さん(同朋大学)保育・療育をめぐる政策のいま
〈課題提起〉富井奈菜実さん(奈良教育大学)
〈実践報告〉坪倉吉隆さん(京都・パーチェ)子どもの生活を大切に~保護者支援、保育所との連携ほか
〈まとめ〉松島明日香さん(滋賀大学)
課題研究2 学齢期 子どものねがいを大切にする実践
〈実践報告〉
北川さちさん(奈良・特別支援学校)小学部6年生 登校できなくなった子を受けとめて
塚田直也さん(視覚特別支援学校)盲ろうの子どもとの2年間から
指定発言:原田文孝さん、川地亜弥子さん
課題研究3 青年・成人期 優生保護法と結婚・子育て
〈課題研究基調提案〉細野浩一さん「優生裁判をめぐる状況と課題研究」
〈報告〉
小森淳子さん(岐阜支部)「優生保護法の影響と障害者の結婚・子育て―体験と事例から」
本田瑞江さん(麦の芽福祉会 グループホーム パンシオンなないろ施設長)「知的障害者の結婚・子育てと支援」
《2日目》
■自由研究発表 17日(日)9:30~12:00 4つの会場に分かれて発表・検討を行います
第1会場
竹岡久美子他(鹿児島支部)離島にこそINCLUSIVE(あたりまえの)教育を
川地亜弥子・赤木和重(兵庫支部)知的障害青年の大学教育プログラム: 神戸大学での取り組み
原 哲夫(兵庫支部)高齢者になった元教え子たちへの生活支援と支援者の広げ方について
萩原君江他(茨城支部)見てきた韓国の障害者福祉館
第2会場
越野和之(奈良支部)文部科学省初中局長通知4文科初第375号(4.27通知)が特別支援学級在籍状況に与えた影響-第1年次としての2023年統計の検討-
高橋翔吾(大阪支部)文科省通知の影響から改めて見えてきた大阪の特別支援学級の現状と課題
大島悦子・熊本勝重(大阪支部)大阪発・障害児学級を通して、真のインクルーシブ教育を考える
池田江美子(埼玉支部)子どもからはじめる教育~たけのこ学級で出会った子どもたちを中心に~
第3会場
速水美晴(京都支部)不安を乗り越えて世界を広げる(仮)―幼児期の療育での実践報告
岡田徹也(滋賀支部)特別支援学校小学部における劇活動の取り組みについて
日暮かをる(東京支部)他「包括的性教育」を障害児者の発達に位置づけるために
三木裕和(京都支部)PISA2022の結果を見る
第4会場
船橋秀彦(茨城支部)優生保護法下、二重の侵襲(卵管圧ざ結さつ、子宮摘出)をされた事例の検討―2023年6月の国会(衆議院・参議院)・調査報告書の事例―
河合隆平(東京支部)子どもの権利論における障害児問題 清水寛「児童憲章と障害児について」(1977)を読む
樋原裕二(大阪支部)近世日本の障害・貧困・自己責任論ー史料紹介「挙善禁悪箇条」と柳澤文渓について
■参加申込方法
申込締切=3月11日(月)午前9時まで
参加費=全障研会員 3000円/一般 3500円/学生・障害者 1000円
1)つぎのURLよりお申し込みください。
https://form.run/@happoken2024
2)申込後、数分以内に自動送信のメールが@form.runから届きます。あらかじめ@form.runからのメールが受信できるように設定してください。届かない場合は全障研事務局に連絡してください。
※参加費は会場でお支払いください。
3)宿泊が必要な人は各自用意してください。
問い合わせ=info@nginet.or.jp 全国障害者問題研究会 全国事務局
〒169-0051 東京都新宿区西早稲田2-15-10 西早稲田関口ビル4F
FAX:03-5285-2603 TEL:03-5285-2601
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