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緊急学習会! 障害乳幼児の療育に応益負担を持ち込ませない会

緊急学習会を企画します 障害乳幼児の療育に応益負担を持ち込ませない会

皆さん、個別サポート加算ⅠⅡのこと、知っていますか?
年度末ギリギリに国から出された報酬改定の事務連絡。個別サポート加算Ⅰは丁寧な支援が必要な子どもに対する加算です。「加算が付くのはいいことだ」と思われていますが、実は膨大な調査項目を保護者にたずね「できる」「できない」を聞き取り決定します。

加算Ⅱは「被虐待などの可能性のある要保護などの子どもを受け入れた場合」、保護者の同意を得て、支援計画にも書き込み決定します。どちらも子どもの人権や尊厳を大きく侵害するものです。

すでに始まっているものですが、内容と本質を知る学習会を企画しました。
オンライン開催なので、全国のどこからでも参加できます。ぜひ職場で集まって、一緒に学びましょう。

 2021年5月14日(金)18時から20時
 主催 障害乳幼児の療育に応益負担を持ち込ませない会
 講師 白石正久、中村尚子、池添素

以下から申し込んでください(参加費無料)
 https://bit.ly/3x0AFL7

2021年04月19日

ラーニングガイド!『新版 教育と保育のための発達診断 下 発達診断の視点と方法』

白石正久・白石恵理子編
新版 教育と保育のための発達診断  発達診断の視点と方法』のラーニングガイドです。

ラーニングガイド(PDF) (20210414)
 *プリントの際には、A4用紙一枚に2ページ入る指定をすると便利です

<編者から>
このラーニングガイドは,本書の理解を容易にするためのものではありません.本書のなかでくりかえし登場しながら,必ずしもその解説がなされていない事項,つまり①基本的な用語・概念,②子どもの具体的な姿の背後にある発達のしくみについて補足的に説明するものです.その用語・概念や発達のしくみへの認識を通じて発達の理解が一歩深まることを願って,本書の読者のみなさんにお届けします.
 白石正久・白石恵理子

『教育と保育のための発達診断 下 発達診断の視点と方法』目次

2021年04月14日

「みんなのねがい」5月号刊行しました

「みんなのねがい」5月号 刊行しました

特集は「実践で大切にしたい発達の視点」。
日々の教育・保育実践、福祉実践の中で発達の視点をどのように生かしていくのか、実践報告といくつかのキーワードから考えます。
発達を学ぶことで、障害のある子どもや仲間をみつめるまなざしがやさしく、やわらかくなり、自由でおおらかな実践につながっていくのではないか…そんなことを考え合いたいと思います。
また前号4月号特集「子どもに学ぶ発達のこと」とあわせて読むのもおススメです!

【漫画】おもいのすれちがい/しぶやまりこ
“ヤリマセン”から“ワタシガヤリマス!”/藤田知子
もう、心を置いてけぼりにはしない/岡田徹也
自分を信じる気持ちをたしかなものに/島 由佳
好きなことにとことんとりくむことを支援する/小林玲子
4つの実践に学ぶ発達の視点と深めたいこと/児嶋芳郎(立正大学)


「みんなのねがい」5月号の詳しい目次

2021年04月09日

教育と保育のための発達診断セミナー 受付開始!

教育と保育のための発達診断セミナー(オンライン)のご案内


4月1日(木)午前9時より受付開始しました!


発達診断セミナーの申込は以下のボタンをクリックしてください

 


日時=2021年6月27日(日)13:00~16:30
開催方法=Zoomウエビナーによるオンライン開催です
内容
○はじめに=発達のなかにあるきらめき/白石恵理子(滋賀大学)さん
○第1講=1歳半の質的転換期から2歳へ
     自我の芽生えと向き合う
     講師:西川由紀子さん(京都華頂大学)
○第2講=3、4歳の発達の姿
     揺れをくぐって自制心の形成へ
     講師:藤野友紀さん(札幌学院大学)
○第3講=幼児期から学童期へ
     集団的自己の誕生
     講師:楠 凡之さん(北九州市立大学)
○おわりに=「ラーニングガイド」の活用について/白石正久(全障研副委員長)さん
主催・問合せ=特定非営利活動法人 発達保障研究センター・全国障害者問題研究会
   東京都新宿区西早稲田2-15-10 西早稲田関口ビル4F
   メール:info@nginet.or.jp
   TEL: 03(5285)2601


本セミナーは『新版 教育と保育のための発達診断・下ー発達診断の視点と方法』をテキストとしています
受講のみなさんはお手元にご用意ください目の前の子どもの姿に学びつつ幾度も繰り返しテキストをたどることを願って編まれています。
定員 500名
申込受付=4月1日~5月31日定員に達ししだい受付は締め切らせていただきます

申込方法=事前申込制です。上記の「参加申込」ボタンからお申し込みください。
参加費
 全障研会員:5000円(テキスト込)、 3000円(テキストなし)
 一  般 : 7000円(テキスト込)、5000円(テキストなし)
 学生・院生: 4000円(テキスト込)、2000円(テキストなし)
zoomウェビナーのURLなどのご案内・資料等は申込みの際に登録したメールアドレス宛に送付します。
参加費は請求書を送付します。
お申し込みにもかかわらず締め切りを過ぎてもメール連絡がない場合は、事務局にお問い合わせください。

詳しいPDFデータです セミナー案内チラシ(表)  セミナー案内チラシ(裏)


発達診断セミナーへのおさそい 白石正久

全国障害者問題研究会は、50 年余の研究のなかで、子どもや障害のある人々の発達への願いを理解するための方法を探究してきました。その一つが「発達診断」です。一般に「発達テスト」は、「できた―できない」を判別したり、発達年齢や発達指数を算出するものです。しかし、そういった指標からは、子どもの発達への願いやそこにある葛藤や意志を理解することはできません。私たちは、子どもの試行錯誤や失敗の中にも大切な「発達の芽」を見抜く視点で「発達診断」を独自に創ってきました。

2009 年に刊行された『教育と保育のための発達診断』は、23 刷を重ねるロングセラーになり、この本をテキストとする「教育と保育のための発達診断セミナー」は、全国 17 カ所、4000 人近くの参加を得て、学習の輪を広げてきました。このたび全面的な改訂を行い、新しい構成のもとで『新版・教育と保育 のための発達診断・下-発達診断の視点と方法』を刊行いたしました。 改訂内容は、以下の通りです。①発達研究の進展を踏まえ、発達理論と発達診断の基本となる視点と新たな知見を加えました。②指導・支援の方法について、より多面的な内容になるようにしました。

私たちはいつも子どもに「寄り添う」存在として、その思い、願い、苦悩を理解し、心を支えていこうと願っています。しかし、「寄り添う」はむずかしいことであり、子どものことを本当に理解できているのかと、自らに問いかけなければならないこともあるでしょう。そのおとな自身の発達の矛盾から目を逸らさずに、視点を子どもの側に転じて、子どもの「本当のこと」を問いかけてみたいと思います。そのとき発達の視点は、子どもの一歩深いところにあるものに近づくための門口に、私たちを立たせてくれるはずです。

( 『新版・教育と保育のための発達診断・上――発達診断の基礎理論』は2021年夏に刊行の予定です)


『新版 教育と保育のための発達診断 下ー発達診断の視点と方法 』のラーニングガイドです


Zoomウェビナー配信によるオンラインセミナーです。全国どこでもインターネット接続の環境、Wi-Fi環境の条件があれば受講できます。
あらかじめ通信環境はおたしかめください。スマートフォンでも受講可能ですが、長時間の講義ですのでできるだけPCやタブレットでの使用をお勧めします。なお、Zoomウェビナーの配信では受講者の姿は映りません。ZOOM視聴などの方法は、以下をご参考ください。
「Zoomミーティング」つなぎ方ガイド パソコン編(PDF)


「子どもの発達について学びたい」「よりよい実践をつくりたい」など、保育・療育・教育や障害児者の福祉に携わるみなさんの参加をお待ちしています。
 前回、受講した方からは「クラスの中でちょうどこの矛盾に向き合っている子どもがいる」「学んだことをもとに療育で大切にしていることと就学後がどのようにつながっているか、保護者に丁寧に伝えたい」など、実践に生きる学びができたとの声が寄せられています。

2021年04月01日

当面する全国事務局体制について

◆当面する全国事務局体制について  2021年3月24日

 新型コロナウイルス感染に対する「緊急事態宣言」は解除されましたが、首都圏などでは新規感染者数は増加傾向にあり、変異株による感染も対応が求められています。政府の対策は極めて不充分なままです。こうした状況を踏まえ、全国事務局は、職員の健康と安全を第一に、ついでは仕事や意思疎通のしやすさを大切にして、当面つぎのようにとりくませていただきます。
 「原則在宅勤務」体制から「開所」としますが、引き続き合理的な「在宅勤務」や「時差出勤」も継続します。「フィジカル・ディスタンス」などに留意しす。書籍発送等につきましては遅れてしまうことをご了承ください。なお、今後の情勢により、適宜変更させていただきます。


◆当面する全国事務局体制について  2021年1月6日

 新しい年を迎えましたが、「一都三県に緊急事態宣言発出を検討」という政府の対応が報じられています。首都圏の新型コロナ感染拡大の情勢を踏まえ、なによりもスタッフなどの安全と生命を守るため、全国事務局は当面、原則在宅勤務 体制とします。
 そのため窓口は、電子メール=info@nginet.or.jpを基本とさせていただきます。書籍発送等につきましてはたいへん遅れてしまうことをご了承ください。
 なお事務所運営の基本方針は、今後の情勢により適宜変更させていただきます。


◆当面する全国事務局体制について 2020年6月4日

 新型コロナウイルス感染に対する「緊急事態宣言」の解除、東京の「アラート発令」などの状況を総合的に検討し、当面つぎのようにとりくませていただきます。
 全国事務局は「原則在宅勤務」から「開所」します。状況に応じての「時差出勤」や「フィジカル・ディスタンス」などに留意します。 なお、今後の情勢により、適宜変更させていただきます。


◆全国事務局の臨時体制について 2020年4月2日
 新型コロナウイルス感染による緊迫した情勢の下、なによりもスタッフなどの安全と生命を守るため、全国事務局は当面、原則在宅勤務体制とします。
 そのため窓口は、電子メール info@nginet.or.jp  を基本とさせていただきます。物流は遅れることもお許しください。
 なお事務所運営の基本方針は、今後の情勢により適宜変更させていただきます。
2021年03月24日

全障研「学びの”わ”プロジェクト」がスタートします。4.4キックオフイベント

全障研「学びの”わ”プロジェクト」がスタートします。4.4キックオフイベント!

 


全障研「学びの“わ”プロジェクト」がスタートします。

コロナ禍で教育実践を深く学びにくくなった方、自分の近くに語り合える仲間が見つからずサークル活動に一歩が踏み出せなかった方、この機会に一緒に学びの“わ”を広げませんか。

このプロジェクトのコンセプトは、
学びの機会をつくる
学びの仲間をつくる
学びのうねりをつくる
です。

具体的には、別紙資料にあるように「本作りを支える」こととその本にかかわった「学びあいの“わ”を広げる」活動を行います。

◯書籍を刊行します=障害者問題研究の「実践に学ぶ」コーナーに掲載された教育実践報告の出版の資金援助を行います。

◯オンライン学習会を開催します=出版前から、そして出版後も障害者問題研究の「実践に学ぶ」コーナーに掲載された教育実践報告をもとに、オンラインでの学習会を行います。限られた誌面では語り尽くすことのできなかった実践者の思いや実践の背景なども学び尽くし、普遍的な教育実践として大切にしたい視点を学びあいたいと思っています。

◯仲間と学習の“わ”を広げます=仲間とつながって、自分たちで学習の企画を立て、学びの“わ”を広げましょう。

ぜひ、みなさんプロジェクトメンバーになってください。
詳細はPDF資料を参照(クリックしてください)

プロジェクト参加希望者は専用の申込フォームからお願いします。
https://form.run/@sakurai-hiroaki--1611202867

キックオフイベントとして4月4日(日)に第1回プレ学習会を企画しました。

「激しい偏食をもつりんちゃんと仲間たちの3年間」 障害者問題研究第43巻2号
 実践報告=小島貴子さん(埼玉・小学校特別支援学級)
 コメント=別府哲さん(岐阜大学)
「出会い直し」や思いの『受けとめ』は、子どもを外からアセスメントし観察するだけではできない」「仮説を持って意図的に働きかけ、その格闘の中で共につくり出すもの」(別府哲)

興味がある方は試しに参加してみてください。この学習会は、プロジェクトのメンバーはもちろん、興味をもってくれた人も参加可能な学習会です。
詳細はPDF資料参照(クリックしてください)

2021年03月03日

「障害者問題研究」48巻4号 特集=地域社会へのインクルージョンと暮らしの場

「障害者問題研究」48巻4号 
特集=地域社会へのインクルージョンと暮らしの場 

特集にあたって/中村尚子 本誌副編集委員長

座談会 暮らしの場に値する障害者施設をめざして
出席者 社会福祉法人みぬま福祉会 足立早苗・植村 勉・園部泰由・野崎壮一
司会 中村尚子(本誌編集委員)

デンマークとスウェーデンにみる障害のある人たちの住まいと暮らし
薗部 英夫
 全国障害者問題研究会副委員長・日本障害者協議会副代表

グループホーム制度30年と今後の課題
伊藤 成康
 きょうされん大阪支部グループホーム部会

【手記】
サポートを受けながら私らしく暮らしたい
 社会福祉法人皆の郷グループホーム利用 相田あづさ
 きょうされん埼玉支部利用者部会WA会

【手記】
私にとってのインクルーシブな暮らしを考える
県営住宅居住 上野 耕一

報告
北の大地の仲間たち2020~グループホーム編~
北村 典幸
 旭川大学/社会福祉法人あかしあ労働福祉センター(北海道・旭川市)

報告
多様な家族の形態を支える
川瀬加代子・菅原裕子
 麦の芽福祉会(鹿児島県)

運動
親のねがいと「全国障害児者の暮らしを考える会」の結成、運動の経過
播本 裕子
 全国障害児者の暮らしの場を考える会


連載/実践に学ぶ
生徒と楽しむ理科実験
吉村 邦造
 群馬・特別支援学校中学部

【吉村実践に学ぶ】 自然の不思議さに迫り,文化や科学の面白さに迫る
品川文雄 特定非営利活動法人発達保障研究センター

コロナ禍における学生の健康と生活と学習の危機に、障がい学生支援室はどう向き合えばよいのか
龍谷大学 障がい学生支援室
支援コーディネーター 瀧本美子

【瀧本実践に学ぶ】 学生の苦しみ,悩みに心を寄せる
社会福祉法人いたみ杉の子発達支援連携室
芦屋大学特任准教授
神戸大学・学ぶ楽しみ発見プログラムコーディネーター
 河南 勝


連載/ワイドアングル
学校図書館における特別なニーズへの対応をめぐる現状と展望
野口 武悟
 専修大学文学部


原著論文
二分脊椎症児の母親のソーシャル・キャピタル醸成プロセス
古城 恵子
 帝京短期大学生活科学科

障害者問題研究2020年度(第48巻)総目次

詳細やオンラインのご注文は以下のホームページへ
「障害者問題研究」48巻4号 特集=地域社会へのインクルージョンと暮らしの場

2021年02月19日

リレー連載 「障害者権利条約の最前線」<公開>

「みんなのねがい」リレー連載「障害者権利条約の最前線」<公開>


障害者権利条約の最前線
(「みんなのねがい」2020年4月号~2021年3月号 リレー連載)
*権利条約をいま、学び、活用するために PDFで公開しています

第1回=人権の発展と障害者権利条約/中村尚子(全障研副委員長)

第2回=権利条約のいまの到達点/薗部英夫(全障研副委員長・JD副代表)

第3回=人権・発達の保障とインクルーシブ教育/河合隆平(東京都立大学)

第4回=最大限度の発達を保障する教育条件/佐竹葉子(全教障害児教育部長)

第5回=合理的配慮の要求主体と教育実践/越野和之(全障研委員長・奈良教育大学)

第6回=いまこそ学び、実現させたい「骨格提言」/斎藤なを子(きょうされん理事長)

第7回=家族負担のない自立に向けた課題/播本裕子(全国障害児者の暮らしの場を考える会)

第8回=働く権利と人としてふさわしい生活保障 第27条と第28条/赤松英知(きょうされん常務理事)

第9回=アクセシビリティ(accessibility)は条約の”肝”/薗部英夫(全障研副委員長・JD副代表)

第10回=表現の自由と言語としての手話/嶋本恭規(全日本ろうあ連盟)

第11回=人権水準の評価と向上に向けて/中村尚子(全障研副委員長)

最終回=パラレポⅡの意義と今後の焦点/薗部英夫(全障研副委員長・JD副代表)

◆『障害者問題研究』48巻4号
 特集=地域社会へのインクルージョンと暮らしの場
座談会:暮らしの場に値する障害者施設をめざして/みぬま福祉会
デンマークとスウェーデンにみる障害のある人たちの住まいと暮らし/薗部英夫(全障研)
グループホーム制度30年と今後の課題/伊藤成康(きょうされん)
サポートを受けながら私らしく暮らしたい/相田あづさ(埼玉)
私にとってのインクルーシブな暮らしを考える/上野耕一(神奈川)
北の大地の仲間たち2020 ~グループホーム編/北村典幸(北海道)
多様な家族の形態を支える/川瀬加代子・菅原裕子(鹿児島)
親のねがいと「全国障害児者の暮らしを考える会」の結成、運動の経過/播本裕子

2021年02月13日

『くらしの手帳』が教科用一般図書に選定されました

『くらしの手帳』が教科用一般図書(旧107条図書)に選定されました

2021年度の教科用一般図書(特別支援学校・学級用)として、『くらしの手帳 ~おとなとしてゆたかに生きるために』(みんなのねがい編集部編 2014年刊行)が選定され、文科省と契約を結びました。
すでに、中学の障害児学級や特別支援学校の高等部などから注文が入り、供給に入りました。定時制高校からの問い合わせも入っているところです。
「くらしの手帳」は、「障害のある青年たちの学びの場で教科書として使ってもらえるようにしたい」という願いをもっていました。柱は「くらす」「はたらく」「あそぶ」「性」「お金」の5つ。イラストやマンガで楽しくやさしく、総合的に学べる1冊です。

『くらしの手帳』のページへ

 

 

2021年02月03日

全国総会で新役員が選出されました

◆全国総会で新役員が選出されました 2020年12月19日

2020年度 第54期 役員

全国委員長 越野和之  奈良教育大学教授

副委員長  池添 素  福祉広場理事長
  同   河合隆平  東京都立大学人文社会学部准教授/研究推進委員長(新任)
  同   川地亜弥子 神戸大学発達科学部准教授(新任)
  同   白石正久  龍谷大学名誉教授
  同   薗部英夫  職員/日本障害者協議会副代表
  同   中村尚子  NPO法人発達保障研究センター常務理事 /立正大学特任准教授
  同   丸山啓史  京都教育大学准教授(新任)

常任全国委員 荒川 智  茨城大学教育学部教授
  同    石田 誠  特別支援学校
  同    児嶋芳郎  立正大学社会福祉学部准教授
  同    木全和巳  日本福祉大学社会福祉学部教授
  同    櫻井宏明  職員/元特別支援学校(新任)
  同    田中智子  佛教大学社会福祉学部准教授(新任)
  同    塚田直也  特別支援学校/「みんなのねがい」編集長
  同    船橋秀彦  シャンティつくば
  同    古澤直子  特別支援学校
  同    別府 哲  岐阜大学教育学部教授
同・事務局長 圓尾博之  専従職員

出版部経営委員長     峰島 厚 元立命館大学教授
発達保障研究センター長  品川文雄 NPO法人発達保障研究センター理事長

 

 

2020年12月24日

第54回全国大会基調報告(確定版)

全国障害者問題研究会
第54回全国大会 基調報告   2020年8月9日

 常任全国委員会




<はじめに>

 人と人が語りあい、向かいあって暮らすというあたりまえの日常に制限を受けた数か月でした。この間、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の拡大という事態の中で私たちが経験した日常とは異なる生活は、子ども、大人の年齢を問わず、障害のある人びとと家族に、はかりしれない不安と困難をもたらしました。不安や困難の背景には、この感染症に対する処方箋がないということに加えて、すべての人の生きる権利を保障するはずの社会福祉・社会保障の制度の脆さが日に日に明らかになってきたということがあります。そうであるなら、どんな困難があったのか事実を出しあい、記録し、話し合うことは、予想される次の感染への対応にとどまらず、障害のある人びとのいのちとくらし、発達を保障する土台を改善する提起につながると考えます。

 ここで3月から、私たちの周りで起こったことをふり返ってみましょう。

 またたくまに世界中に広がった新型コロナウィルスによる感染症に対して、WHOは3月11日、世界的大流行(パンデミック)を宣言、各国政府はそれぞれに人びとの社会的活動や経済活動を制限する対策を実行しました。ウィルスについて科学的解明が続けられていますが、いまだ決定的な治療薬、ワクチンは開発されていまいせん。感染の広がりは世界的規模で格差を浮き彫りにしました。医療体制の不備のもと「経済優先」に舵をきる国も増え、6月末には、世界の感染者数は1000万人を、死亡者は50万人を超えています。

 日本では、2月27日の夕刻、安倍首相による突然の一斉休校要請に始まり、4月7日には、改正新型インフルエンザ等対策特別措置法によって「緊急事態宣言」が出され、以後、全国的には5月25日まで、生活全面にわたる規制が強いられました。

 この事態の中で、全障研は、まず3月2日に「緊急声明」を出し、障害のある子どもと家族のもつ特別の困難に照らして、一律の休校を求めることの問題点を指摘し、要請の撤回を求めました。そして障害のある子どもと家族の健康と生活を守る方途を、国民的な英知の結集と議論によって検討していくことをよびかけました。

 さらに「緊急事態宣言」から1ヵ月を経て、「補償なき自粛要請」への批判が高まるなか、5月9日には「声明=新型コロナウィルスをめぐる情勢の下で障害児者の権利を守るために」を発表しました。この声明では、社会福祉の仕組みの決定的な弱さが障害児者・家族に困難をもたらしていることを指摘し、乳幼児の施設や事業所、学校と放課後支援、児童および成人の施設などそれぞれにおいて、障害児者とその家族、障害児者に関わる人たちの「人間的な諸権利を守り、発達を保障することが必要だ」と訴えました。

 2つの「声明」に呼応して、全国からたくさんの報告が寄せられました。

 密になる集団生活をさけるために学校は休校とされる一方で、児童発達支援や放課後等デイサービスの事業所は開所を求められ、しかも感染防止のための方策はすべて事業所任せだったこと。卒業生を送り出し新入生を迎える大事な時期であったにもかかわらず、感染対策のみが優先され、子どもの気持ちに寄り添った活動を準備することすらままならなかったこと。在宅生活による生活リズムの乱れ、活動や集団が保障されないなかでの行動の不安定化などが家族から訴えられても、十分議論できない日々を送らざるを得なかったこと。いずれも、マスコミ報道には取り上げられることのない障害児・者と家族がかかえる困難から生じた問題ばかりでした。

 「緊急事態宣言」後の4月以降は、児童発達支援、放課後デイ、作業所などの障害福祉事業所は、利用控えが顕著になり、事業継続の危機に直面しました。厚生労働省から電話などでの支援も報酬の対象となるという事務連絡が出されましたが、これにたいする疑問を感じながら、障害のある人への支援とは何か、それを支える制度はどうあるべきかという課題にいっそう向き合い、多くの事業所が事業を継続してきました。こうしたなかで、支援の対価としての日額報酬制という制度への批判が高まっています。

 以上のように、まさに「コロナ禍」によって、国民生活を守る制度の脆さから矛盾が噴出したなかにあっても、政府は社会保障全般にわたる公費抑制をもくろみ、自助・互助・共助を基本とする「全世代型社会保障改革」にもとづいて、年金法、社会福祉法などの「改正」を強行してきました。
 3月、津久井やまゆり園事件の裁判が終結しました。裁判では、「障害者は生きる価値がない」という被告の主張を正面から問うことがありませんでした。しかし、いま未解明の感染症とそこから生じた不安の拡大という状況のもとで、「すべての命は平等」であるという価値はますます重要になっていると思います。このことを基盤にした社会をめざす運動をすすめていかなければなりません。
 私たちは、どんな情勢の下でも、人間のいのちと尊厳を軽んじる考え方や社会のしくみを断固として否定します。憲法と障害者権利条約の理念を地域のすみずみに広げながら、だれもが安心して生きられる平和でインクルーシブな社会の実現にむけて、みんなのねがいと力を重ね合わせて、発達保障をめざすとりくみをさらに進めていきましょう。


Ⅰ.乳幼児期の情勢と課題

(1)登園できなくてもつながる療育
 感染が拡大するにつれて、保育園や幼稚園、児童発達支援の施設に通い、楽しい時間を過ごすという子どもたちの日常が消えていきました。3月、学校と同様に休園になる幼稚園がめだち、4月の「緊急事態宣言」以降は、保育園にも登園自粛の要請があり、子どもにとっての日中の生活と集団の基盤が揺らいでいきました。児童発達支援の施設(センターや事業所)は感染予防に努力しつつ可能な限り開所することが求められましたが、保護者の判断で登園を自粛する、事業所として登園制限や臨時休所を選択するという場合もありました。

 友だちと遊ぶのが苦手、好きな遊びが見つけられないといった課題があるから、保育園や療育の場に通っていた子どもたちです。登園できなくなったとき、子どもに対してどんな支援ができるのか、各地で模索がつづきました。一方では、コロナ禍をも好機にしようと、オンラインの個別支援と称して動画や教材を有償で家庭に提供する事業者もあらわれました。

 コロナ禍のもとにあっても重ねてきた実践の中には、今後の感染対策に引き継ぐべきことだけでなく、保護者・家庭への支援の基本として大事にしたいことがたくさん含まれています。少しでも楽しく過ごせるよう、子どもの心身の状態を把握し、工夫を凝らして試みた在宅生活における子どもへの支援について、経験を交流していくことも必要だと思われます。

(2)保護者への支援
 父親が在宅勤務になった家庭では、家族一緒の時間が格段に増えました。しかし、障害のある子どもたちにとって、ふだんと異なる日課や家庭での暮らしはストレスとなる場合もあります。保護者からは、つい強くしかってしまう、適切でない対応になる可能性もあるという切実な声が聞かれました。在宅支援は、保護者にたいしても大切な支援であり、実践的な検討をしていかなければない課題です。

 一方、厚労省や自治体が出す事務連絡では、保護者や子どもがコロナウィルスに感染することは、ほとんど想定されていませんでした。感染への不安は、障害の重い子どもや医療的ケアを必要とする子どもがいる家庭ではさらに深刻です。子どもを対象にしたショートステイの場の整備などが緊急に求められています。

 障害のある子どもを育てる保護者の就労困難は以前から大きな問題ですが、今回のコロナ問題は家計にも大きな影響を与えました。

(3)事業所を守る
 育ちを守り育てる療育の場では、まさに療育者と子どもが身体と心を通わせ働きかける場であり、「3密」状態を避けることは不可能といっても過言ではありません。療育の場が安心安全とはいえない状況が生まれました。

 感染に配慮しつつ開所し続けても通園児が5割を切った、とうとう1名になったといった事業所もあります。楽しい集団療育ができないだけでなく、通所する子どもの人数の減少は、事業所の減収に直結するので園の運営そのものが不安定さの度合いを高めました。子どもが通園した日にしか公費が支払われないこの制度は職員の雇用をも不安定にしています。

 厚生労働省の事務連絡にもとづいて電話などで支援をする場合には、支援計画等の書類を作成し、事前に1割の費用負担があることを保護者に了解してもらうことを徹底するよう求められ、自治体によっては、支援の内容や書類に細かい指示もありました。支援をしたら報酬を出す、利用料は応益負担という障害福祉制度ゆえの問題に、多くの事業所が戸惑いを感じたのが現実でした。

(4)乳幼児期の総合的な発達保障を
 今年2020年は、2021~2023年度を期間とする第2期障害児福祉計画にむけた施策の見直し期にあたります。厚生労働省は、2020年度までに「重層的な地域支援体制の構築」を目指し、児童発達支援センターを市町村に少なくとも1カ所以上設置するという目標を掲げていますが、実現に向けた特別な方針がないまま市町村にまかされています。子どもと保護者のねがいを障害児福祉計画に反映させるよう地域の自立支援協議会児童部会などで議論し、計画策定に参加していくことも重要です。

 乳幼児期の支援は、母子保健施策である乳幼児健診と結んだ総合的なシステムが求められますが、ゆとりのない職員体制のもとで保健センターにおける障害の発見から対応、療育への橋渡しの機能低下が危惧されています。全障研大会では、すべての子どもの健康と発達を保障するという視点から子育て支援の枠組みを発展させ、早期療育へつなぎ、親子を支える仕組みを充実させている自治体の取り組みが毎年報告されています。そうした実践に学びあうことを大切にしたいと思います。


Ⅱ.学齢期の情勢と課題

(1)突然の休校要請の下での子どもたちの暮らし
 2月27日の夕刻、全国の学校の職員室では大きな不安と動揺、混乱がもたらされました。首相による全国一斉休校要請の突然の発表、そこからの数日間、学校は対応に追われました。卒業や進級という一つの大きな節目を控え、次のステージに向けて期待や意欲を高めていこうとする子どもたちの気持ち、その学年、学級、学校生活の残りの日々で、子どもたちに何を手渡していくのかという教職員の思いは、まったく突然に、そして一瞬にしてやり場を失うことになりました。首相とその周辺による強行的な決定は、多くの自治体や学校から、教育的な判断を主体的に行う機会を奪い、子どもたちはその間、教育を受ける権利を保障されなくなったのです。

 3月に入ると、休業補償等の手立てに関する十分な検討もないまま強行された休校によって、多くの障害のある子どもたちとその家庭は、日中をどうやって過ごすのかという問題に直面します。休校要請に際して、厚生労働省は放課後等デイサービスに対し、「可能な限り時間を延長して子どもたちを受け入れること」という事務連絡を出しました。感染拡大予防という一斉休校要請の趣旨と大きく矛盾する課題を、福祉の現場に丸投げしたのです。放課後等デイサービスの事業所では、午前中からの体制づくりに突然直面させられ、職員の不足や職員家族の負担、マスクや消毒液の不足、公共施設が使えないなどの多くの困難と向き合いながらも、子どもと家庭の困難さに応えようと、必死の努力を続けました。4月の「緊急事態宣言」以降も、公的責任に基づく根本的な手立ては示されることなく、各地域や現場レベルでの工夫を強いられている状況が続きました。

 「緊急事態宣言」解除後にいくつかの自治体等で取り組まれた調査などでは、子どもたちの家庭での生活の困難の実態や、放課後等デイサービス事業所が直面した困難の実態とともに、学校と家庭、また学校と障害児支援事業所との矛盾が、「学校に見捨てられたような気がした」「学校は何もしてくれなかった」など、悲鳴のような表現で指摘されています。5月に公表した全障研の声明は、この間の施策が、「教育と福祉の関係性に大きな歪みをもたらした」と指摘しました。この歪み正し、障害のある子どもと家族、関係者の人間的な諸権利を守り、発達を保障するための具体的なとりくみが緊急に求められています。

(2)学校に「行く」ことの意味を問い返す
 昨年、障害を理由に、長きに渡って教育を受ける権利を奪われてきた人たちの、「学校に行きたい」「学びたい」というねがいを結実させた養護学校義務制実施から40年を迎えました。全障研しんぶんでは「義務制実施40年を考える」と題し、2019年6月から7回にわたって、義務制実施までの道のり、そして義務制実施以降のさらなる教育権保障の道のりを辿りました。すべての障害のある人たちの義務教育実現を大きな基盤としながら、さらに障害の重い人たちの教育内容の深化、後期中等教育の保障、卒業後の進路保障と作業所づくり、さらなる学校設置運動の広がりなど、教育の豊さの広がりはもとより、障害のある人たちのライフステージ全般にわたる豊かさを求め、実践と運動を地道に積み上げてきた歴史に学ぶことができました。

 どの子も学校に行けるようになってから40年を経た今年、日本の多くの地域で、子どもたちは3ヶ月もの長きにわたって、学校に「行く」ことを奪われました。そうした事態の中でも、全国の少なくない教師たちは、子どもと家庭の状況をつかみ、子どもたちが少しでも笑顔で過ごせるようにしよう、わずかながらでも発達を保障しようと、家庭訪問や電話、手紙などを用いて連絡をとり、学校生活の中で、子どもたちが好きになった歌のCDを届けたり、絵本の読み書かせや身体を楽しく動かすための動画データを配信するなど、さまざまな努力を続けました。

 障害のある子どもたちにとって、学校は「学ぶこと」をただ受け取るだけの場所ではありません。子どもたちは、「学校」という場所に毎日通うことで自ら生活リズムを作り、自分に合った環境で心身をリラックスさせ、適切な運動の機会をつくり、友だちや先生との人間的なかかわりをつくっていくのです。そうした毎日の生活の中で、子どもたちは学校でしか学べないものに出会い、自分自身がよりよくなりたいという「ねがい」を育みます。学校でしかできないこととは何か、子どもたちにとって、学校の価値はどこにあるのかということを改めて問い返しながら、再開後の学校と、そこで営まれる子どもたちと毎日の生活の質を吟味する必要があります。

(3)「再開」後の学校の「学び」をめぐる問題と教育政策
 しかし、登校が再開されつつある今、学校は、子どもたちの「ねがい」に応えうる場所になっているでしょうか。学校行事の中止や縮減の一方で、7時間授業や土曜登校、夏休み登校など、授業時数の確保や「遅れを取り戻す」ことばかりが一面的に強調されてはいないでしょうか。
 安倍政権が推し進めてきた教育改革、さらには今年から小学校、特別支援学校小学部で本格実施となる学習指導要領では、「何ができるようになったか」「学んだことをどう使えるようになったのか」という視点ばかりが重視されます。そこでは子どもや親、そして教師の「ねがい」から実践を構想するのではなく、短期での目標達成や行動の変容のみをターゲットにした実践を助長させるような「評価」と、一面的な社会からの要請の影響を色濃くうけた「教育目標」が教育現場に押しつけられ、そのことに教育実践が縛られようとしています。

 2019年度から開始された文部科学省「新しい時代の特別支援教育の在り方に関する有識者会議」は、6月末に「これまでの議論の整理(案)」を示しました。この文書には、障害のある子どもの保護者や教職員が長年要求してきた特別支援学校設置基準の策定に初めて言及するなど、ゆたかな権利保障をめざす声の高まりを反映したと見られる箇所もありますが、特別支援学級と通常学級の「交流及び共同学習の拡充」と称して、「ホームルーム等の学級活動や給食等については原則共に行う」等の一面的な方向性を示したり、「自校通級を進める」との名目の下に「ICTを活用した遠隔による専門的指導」を例示するなど、子どもたちのゆたかな学びと生活へのねがい、子どもと寄り添い、子どもの事実から実践を構想しようとする教師のねがいに背く危険性もはらんでいるとみられます。特別支援教育をめぐる今後の政策動向に直結する動きとして十分な注意を払う必要があります。

(4)自ら考え、行動できる教職員集団づくりを
 長期にわたる休校とその後の学校再開の動きの中、学校と福祉がこれまで以上に連携を深めながら、子どもたちの生活を少しでもよくしよう、家庭やそれぞれの現場の負担を軽減しあおうという動きも見られます。子どもの家庭や生活の状況をつかもうと、従来以上に密に連絡を取り合うようになった学校や福祉事業所の事例もあります。休校期間中、体制の不足する福祉事業所に応援に入った学校や、学校施設を家庭や福祉事業所に開放した自治体、学校もありました。こうしたとりくみは、行政上の障壁や教職員集団の合意形成の困難などに制約されて、いまだ多数とはなっていませんが、困難な状況の中でこそ、障害のある子どもたちの権利を守るために何ができるか、現場レベルで話し合い、考え合うことの重要性と、そうした努力を重ねることで、少しずつでも困難を切り拓いて前に進めることを私たちに教えています。

 教職員集団が「集まる」ことが強く制約された経験を経て、「集まる」「語り合う」ことの価値を、再発見している人たちは少なくありません。今年度の『みんなのねがい』の連載「出会いはタカラモノ 子どもから教えられたことばかり」の冒頭で、著者の佐藤比呂二さんは「私の教師人生は、子どもから学んだことの積み重ね」だと記しています。子どもたちの教えてくれるタカラモノを一つ一つ大事に掬い取ることができるように、そしてその「価値」を決して手放すことのないように、みんなで語り合いながら、子どもの「ねがい」に応える授業づくり、教育課程づくりを進めましょう。「働き方改革」と「コロナ対応」などの名の下、再編される行事や教育活動についても、「子どもにとっての値打ち」をしっかりと語り、現下の状況に即して創造できる教職員集団づくりを進めましょう。


Ⅲ.成人期の情勢と課題

(1)「全世代型社会保障」の動向
 成人期の障害者の権利保障を考えるうえでは、社会保障全体の動向に目を向けておく必要があります。

 政府が2019年9月に設置した全世代型社会保障検討会議は、12月に中間報告をまとめ、「年金」「労働」「医療」「予防・介護」の各分野について、改革の方向性を示しました。その内容は、第201回国会において一部具体化され、70歳までの雇用継続と結んだ年金支給年齢の引き上げなど、関係法の「改正」がなされました。さらに、2020年6月には、第2次中間報告がまとめられ、「フリーランス」の拡大のための労働関係法の改正などが準備されています。

 こうした動向の基調になっているのは、経済成長を最優先する姿勢です。昨年12月の中間報告は、「障害や難病のある方々」にも言及していますが、それは「一億総活躍社会」を語る文脈においてです。政府がめざしているのは、「強い経済の実現」なのです。日本に住む人の権利保障の観点から社会保障改革が考えられているわけではありません。

 そのため、全世代型社会保障改革は、「制度の持続可能性」の名のもとに、社会保障の抑制を図るものになっています。医療についても、窓口費用負担割合の引き上げなどが提案されています。
 そして、重視されているのは、高齢期に至るまでの就労です。人間らしく働く権利の保障は重要ですが、経済成長や社会保障抑制のために就労を強いられることは問題です。

私たちは、権利保障の観点から、あるべき社会保障を考えていかなければなりません。

(2)報酬改定をめぐる動向
 障害のある人の生活と権利に直結することとしては、「障害福祉サービス等報酬改定」の問題があります。3年ごとの報酬改定が、2021年度に予定されており、感染対策で中断していた検討チームの会合が再開されました。

 2018年度の報酬改定の際には、国が食事提供体制加算を撤廃しようとしましたが、障害者団体等の運動によってそれを阻止しました。昼食・食事は、障害者の労働や生活を支える大切なものです。次回の報酬改定で食事提供体制加算を廃止することは許されません。

 また、事業所による送迎支援も重要なものであり、送迎加算は廃止されるべきものではありません。それにも関わらず、厚生労働省のもとで送迎に関する実態調査が行われるなど、送迎加算の見直しが進められてきています。

 現実には、公費支出の水準が低い現状のもと、事業所の運営は困難を抱え、職員の働く環境も厳しいものになっています。また、2018年度の報酬改定においては、就労継続支援事業B型の報酬単価を平均工賃と連動させるという成果主義的な方式が導入され、そのなかで多くの事業所が減収に追い込まれました。報酬改定は、これらの問題を解決する方向でなされるべきものです。
 新型コロナウィルス感染症に関係して、障害者や家族、事業所が抱える困難が増しているなか、報酬改定がさらなる打撃をもたらすようなことがあってはなりません。

(3)安心できる生活の保障
 必要なのは、社会保障の拡充であり、障害者が安心して暮らせる社会の構築です。

 今年度の『みんなのねがい』の連載「高齢期を迎えた障害者と家族―老いる権利の確立をめざして」(田中智子)でも述べられているように、障害者のケアの責任は、費用面も含めて、親・家族に押しつけられています。障害者の生活を支える社会資源の整備も、家族によるケアを前提としている面があります。障害者および家族の権利保障にとっては、家族依存を当然のこととするような現状からの脱却が重要です。

 そのためには、障害者の暮らしの場の充実が欠かせません。障害者権利条約の第19条は、「障害者が、他の者との平等を基礎として、居住地を選択し、及びどこで誰と生活するかを選択する機会を有すること並びに特定の生活施設で生活する義務を負わないこと」を確保するように締約国に求めています。障害者が意に反して「特定の生活施設」で暮らさなければならないことが問題であるのと同時に、障害者が親・家族との生活を強いられることも問題です。

 遠くないうちに、国連・障害者権利委員会から、日本への勧告(総括所見)が出されることになります。その内容を吟味したうえで活用しながら、障害者の暮らしの場の保障を進めていくことが、今後の課題になります。

(4)文化的な生活の創造
 障害者の労働や生活の場を豊かなものにすることと合わせて、障害者の文化的活動が十分に保障されるようにすることが重要です。

 東京オリンピック・パラリンピックの開催が2020年に予定されていたなかで、障害者のスポーツに対する社会的関心はいくらか高まったのかもしれません。しかし、幅広い障害者がスポーツを楽しめる環境が整備されてきたとは言えません。家族による援助に依存するような状況は、スポーツについてもみられます。

 文部科学省のもとでは、「障害者の生涯学習の推進」が言われ、「文化芸術活動」や「スポーツ活動」を支援するとした「障害者活躍推進プラン」が2019年に発表されています。その背景には、生涯学習等に対する障害者の要求や、その要求に応えてきた諸実践もあるでしょう。養護学校義務制の実施や養護学校高等部の拡充などに結びついてきた、これまでの教育権保障の取り組みが、「生涯学習」を政策的課題に押し上げてきたとも言えます。しかし、高い能力をもって「活躍」することばかりに価値を置く発想がないか、特別な才能のある障害者を政策的に利用するようなことにつながらないか、といったことには注意が必要です。

 障害者権利条約の第30条では、「文化的な生活、レクリエーション、余暇及びスポーツへの参加」についての権利が明記されています。すべての障害者がこの権利を享受できるようにしなければなりません。

 そのためには、障害者の余暇活動のための制度の構築も求められます。学校に通う子どもについては、2012年に放課後等デイサービスの制度が創設されました。類似の仕組みを必要とする人は、成人期にある障害者のなかにも少なくありません。

 障害児者の生活のありようを構成する不可欠の要素の一つにセクシュアリティをめぐる問題があります。すべてのライフステージに関わる大切な課題ですが、この領域における権利侵害の実態や権利保障・発達保障の課題は、これまで必ずしも十分に論議されてきたわけではありません。全障研出版部の新刊『ゼロから学ぶ障害のある子ども・若者のセクシュアリティ』(伊藤修毅著)なども用いて、セクシュアリティをめぐる権利保障の課題についても議論と実践を深めましょう。

(5)権利保障の道を描くこと
 現状に甘んじることなく、障害者の権利保障のために必要なことを考え、取り組んでいきましょう。

 新型コロナウィルス感染症をめぐる事態は、さまざまな分野で従来の仕組みの歪みを浮かび上がらせました。保健所が統廃合によって減らされてきたことも、その一つです。余裕のない医療体制では危機的状況に対応できないことも明白になりました。障害者支援の領域においては、「日割計算」の弊害が改めて顕在化したといえるでしょう。ゆとりのある安定的な職員体制の大切さも再確認されることになりました。また、行政の責任・役割が小さなものになっていることの問題性も顕著に表れました。

 障害者自立支援法の成立から約15年が経過し、社会福祉基礎構造改革の流れのなかでつくられてきた仕組みが当然のもののようにみなされる傾向があるかもしれません。しかし、私たちは、現在の仕組みを固定的なものとして考えることはできません。障害者自立支援法違憲訴訟の基本合意(2010年)や障がい者制度改革推進会議総合福祉部会の骨格提言(2011年)などをふまえ、障害者と関係者の実態や要求を立脚点にして、あるべき権利保障の道を描いていきましょう。


Ⅳ.研究運動の課題

(1)平和的生存権を基盤に、三つの系でねがいを束ねる
 新型コロナウィルスを契機として引き起こされた情勢は、社会にもともと存在していた矛盾や格差、差別と偏見を浮かび上がらせました。近い将来人類の存続さえ脅かすような気候変動・気候危機も急速に進行しています。ウィルスがもたらす危機だけに目を奪われることなく、発達保障・権利保障の課題を正面からとらえる必要があります。

 新型コロナウィルスの世界的な感染爆発により、無数の人びとの生活が破壊され、いのちが奪われていくなか、アメリカ合衆国では、重度の知的障害、脳性まひ等のある人への治療を抑制したり、人工呼吸器を装着させないという選択肢を含んだガイドラインを作成した州もあります。障害を理由とするいのちの選別は、障害のある人びとのいのちを脅かし、いのちの切り捨てをさらに進めることにもつながりかねず、いかなる場合にも断じて容認できません。

 2020年3月31日、津久井やまゆり園事件をめぐる裁判で死刑判決が出され、その後この判決は確定しました。しかし、「障害者は不幸をつくり出すことしかできない」、「生きるに値しないいのちがある」という被告の価値観がこれ以上追及されず、事件の本質も解明されないまま、事件に終止符が打たれることがあってはなりません。今回の事件を忘れることなく、人間のいのちに軽重をつける価値観に抗い、いのちの選別をおし進めようとする動きに向き合い続けなければなりません。

 新型コロナウィルス対策をめぐり、異論を唱えることを許さない空気が社会に蔓延し、「自粛」要請による生活の統制が一気に進みました。3月半ばから4月の初めにかけて、新型インフルエンザ特別措置法改正から「緊急事態宣言」発令へと事態はきわめて急速に進行しましたが、自民党は今回の緊急事態宣言に便乗して憲法を改正し、「緊急事態条項」を創設する意向を示したことに注意が必要です。政府の判断で検察幹部の定年延長を可能にする検察庁法改正案も、国民の声に押されて頓挫したとは言え、民主主義の根幹に関わる三権分立を脅かそうとするものでした。未知の感染症の蔓延という危機に乗じて、私たちの自由を奪い、政府の意に沿わない声を封じ込め、平時には実現しにくい政策をなし崩しに強行しようとする動きが顕著であったことは決して見過ごしてはなりません。

 私たちは、障害者のいのちと権利を守り、すべての人の発達保障を実現するために、日本国憲法が定める平和的生存権を拠りどころとして、「個人-集団-社会」という発達の三つの系を統一し、民主的に発展させることをめざしてきました。「コロナ禍」の下で顕在化し、あるいは新たに引き起こされた情勢は、集団の系の展開を強く制約するとともに、社会制度の系において人類が築いてきた進歩に対しても大きな反動を招きかねないものであり、そうした情勢の下で個人の豊かな生存と発達の権利が脅かされるという構造を持っているものと見られます。発達の三つの系を断ち切らせず、それぞれの系において一人ひとりのねがいを持ちより、みんなのねがいとして分かち合うとりくみを大切にしていきましょう。

(2)本人や家族のねがいや不安を聴きとり、権利侵害の事実をつかむ
 この間、「自粛」要請による生活や行動の制限にくわえて、新自由主義改革によって弱体化させられてきた社会保障制度の矛盾が、障害のある人や家族を追い詰めています。そうしたなかで、本人や家族が困っていることや不安に思っていることを十分に聴きとり、受けとめることができないまま、不自由な生活を強いてしまっている現実があります。

 私たちの研究運動に求められるのは、そうした障害のある人びとや家族の抱える不安と、その背後にある人間的な生活と発達へのねがいをていねいに聴きとること、そのことを通して、障害のある人びとに対する権利侵害の事実を具体的につかむことです。コロナ情勢下での障害のある人や家族の実態をしっかりと記録しながら、多様かつ複合的に立ち現れている権利侵害の事実を総体として明らかにすることで、動かしがたくみえる現実に立ち向かう実践と研究の課題が明らかになります。

 いっぽう、困難な状況をていねいにつかみ、本人の要求をじっくりと探るとりくみが、関係者や関係機関を結びつけ、新たなつながりのもとで、それぞれのライフステージで安心できる生活を保障しようとするとりくみも生まれています。困難な状況下で生まれつつある新たなつながりや実践の芽をつかみ、そうした実践のなかで生み出された事実を共有することが、権利保障の道すじを見出すことにつながります。


(3)実践者のそだちと発達保障労働の専門性
 福祉や教育の現場では、感染の危険性を抱えながら困難な状況にねばり強く立ち向かい、障害のある人や家族の抱える不安に心を寄せて、一人ひとりのねがいに応えようと奮闘する実践者がたくさんいます。本人の不安を少しでも取り除き、ことばと心を通わせあうことで、障害のある人たちと家族のねがいをつかみ、それに応えようとする人たちが、お互いのの不安や悩みを聴き合うこと、障害のある子どもや仲間が示すわずかな変化のうちに実践の展望を見出そうとする努力を励まし合うことが大切です。

 いま、障害のある人びとの発達や幸福の実現に寄与する実践に力を尽くしたいとねがって現場で働く人たちが、これまでの歴史のなかで深められてきた発達保障の思想をわがものとしながら、主体的な実践者として育ち合う道すじはどこに見出されるでしょうか。実践がうまく立ち行かない原因を、自分や同僚など、個人の力量の不足に求める自己責任の発想は、実践と、それを制約する制度などに対する疑問や悩みを抑え込ませる方向に作用します。こうした考え方が幅をきかせる現場では、実践者は自らの実践に手応えを感じにくく、展望を見出しづらくなります。障害のある人びとが困難や葛藤を抱えながらも人間らしく生きようとする姿のなかに、本人たちのねがい、そして自分自身のねがいの実現を阻んでいる社会や政治の矛盾を読みとり、そうした困難や矛盾の根源に共同して立ち向かう力こそ、発達保障労働に求められる専門性であるといえます。

 とはいえ、個人の疑問や悩みを自覚することが、ただちに社会や政治への視野を開くわけではありません。身近なところから、小さな悩みや疑問、自分が実践を通して出会ったささやかな事実を安心して語り合い、聴き合い、みんなで共有し合うなかで、「個人-集団-社会」という発達の三つの系のつながりに気づき、自分や仲間の悩みやねがいと、社会や政治とのつながりへの視野が少しずつ開かれていくのではないでしょうか。

(4)障害者権利条約の水準にふさわしい制度改革を実現する
 日本国憲法にもとづき、すべての人の権利を保障することなしには、障害のある人びとの発達保障を実現するとりくみの前進はありえません。この間、2018年の生活保護基準引き下げが違憲であるとして取り組まれてきた「いのちのとりで裁判」の名古屋地裁判決が6月25日に、また強制不妊手術による人権侵害を訴えた優生保護法違憲訴訟の東京地裁判決が6月30日に出されましたが、2つの判決とも、司法が人権救済の最後の砦としても役割を果たしえない現状にあると言わざるをえない内容でした。国内の人権保障の基盤を強固にしていくことがたいへん重要です。

 そうした国内の人権保障へのとりくみと結びつき、障害のある人びとのねがい、生活や発達の事実と結びついてこそ、障害者権利条約は、「他の者との平等」を実現させる大きな力を発揮します。国連の障害者権利委員会による政府報告書の審査日程も流動的ですが、今後示される国連の総括所見などを最大限に活かしながら、国内の障害者団体が叡智を結集して完成させたパラレルレポートが示した障害者制度改革の諸課題を、権利条約にふさわしい水準で実現させていくとりくみが大切になります。

(5)仲間をつなぎ、ねがいをつなぐ
 私たちの研究運動は、「ひとりぼっちをつくらない」ことを大切にしてきました。対面で言葉を交わすことができない状況に直面する中でも、SNSやインターネット等を活用して、職場の実態や各地の情報を交流する動きが生まれました。支部やサークルでは「語りたい」「学びたい」というねがいをていねいに受けとめながら、ねがいや悩みを分かち合う仲間を求めている人と出会い、仲間とつながり合う方法を模索しましょう。

 私たちは、今年9月に予定されていた北海道・旭川での全国大会を中止するという苦渋の決断をしました。いまは、それぞれの職場や地域のとりくみを持ちより、全国の仲間と直接交流し、深め合うことは叶いません。しかし、私たちには全国の課題と地域での研究運動をつなぐための素材がたくさんあります。月刊誌『みんなのねがい』は、毎月各地の実践や運動、研究の成果などを届けることで職場や地域の課題を掘りおこし、自分たちの実践の意義や課題を語り合う場をつくってきました。発達保障の研究運動の成果を科学的に整理し、実践と理論を往還させる道すじを明らかにするための理論誌が『障害者問題研究』です。「発達を学びたい」「実践を吟味したい」という要求に応えて、学習の導き手となるような出版物もたくさんあります。それぞれの地域や職場で、これらの素材を積極的に活用して、新たに出会う人たちのねがいや悩みを分かち合い、発達保障の魅力に触れてもらいながら、研究運動をともに担う仲間になってもらえるよう働きかけていきましょう。

(2020年11月23日 最終版を常任全国委員会は確定しました)

 

2020年12月14日

「障害者問題研究」48巻3号 特集=障害基礎年金の制度的課題と生活問題

「障害者問題研究」48巻3号 特集=障害基礎年金の制度的課題と生活問題 刊行しました

特集にあたって/濵畑芳和 立正大学

障害基礎年金の現状と課題――障害のある人の権利条約を踏まえた見直しをめざして
鈴木 靜 愛媛大学法文学部

障害基礎年金の認定格差とあるべき姿
市川 亨 共同通信記者


障害基礎年金と児童扶養手当の併給へのたたかいの今日的課題
仲尾 育哉 椙山女学園大学現代マネジメント学部准教授・弁護士

障害年金の認定問題――成人先天性心疾患患者の運動から
下堂前 亨 一般社団法人全国心臓病の子どもを守る会 事務局長

報告
救済措置が取られない無年金障害者の立場から見える年金問題
原 静子 無年金障害者の会代表幹事

報告
精神障害者支援の現場から障害年金の問題を報告する
松本みを 大阪府八尾市 医療法人清心会 相談支援事業所ちのくらぶ、精神保健福祉士・相談支援専門員

報告
無年金障害者における生活問題――生活実態調査を通じて
無年金障害者の会(大阪市・障害者(児)を守る大阪連絡協議会内)・田中智子(佛教大学社会福祉学部)

◆連載/実践に学ぶ
①「学びは「教わる」から「つきとめる」へ
――子どもと対話し,子どもと共につくる授業をめざして
 長友志航 滋賀県 特別支援学校教員
 【長友実践に学ぶ】子どもと共につくる授業の楽しさ
 宮本郷子 龍谷大学社会学部

②贅沢な仕事――障害の重い人の仕事を考える
 原田文孝 兵庫県・重度障害者通所事業所さち 生活介護事業サービス管理責任者
 【原田実践に学ぶ】生活を意味づけ,新しい人生をつくる
 細渕富夫 川口短期大学

◆連載/ワイドアングル
ドキュメンタリー映画『ゆうやけ子どもクラブ!』を語る
井手洋子 映画監督

◆動向
全世代型社会保障とは何か――障害福祉に何をもたらすのか
平野方紹 立教大学コミュニティ福祉学部

詳細やオンラインのご注文は以下のホームページへ
→「障害者問題研究」48巻3号 特集=障害基礎年金の制度的課題と生活問題

2020年11月25日

『新版 教育と保育のための発達診断 下 発達診断の視点と方法』刊行しました

白石正久・白石恵理子編
『新版 教育と保育のための発達診断 下 発達診断の視点と方法』刊行しました

 

はじめに 白石恵理子

Ⅰ 発達保障のための子ども理解の方法
   発達保障のための子ども理解の方法/木下孝司(神戸大学)

Ⅱ 発達の段階と発達診断
 1章 乳児期前半の発達と発達診断/河原紀子(共立女子大学)
 2章 乳児期後半の発達と発達診断/松田千都(京都文教短期大学)
 3章 1歳半の質的転換期の発達と発達保障/西川由紀子(京都華頂大学)
 4章 2~3歳の発達と発達保障/寺川志奈子(鳥取大学)
 5章 4歳の質的転換期の発達と発達診断/藤野友紀(札幌学院大学)
 6章 5~6歳の発達と発達診断/服部敬子(京都府立大学)
 7章 7~9歳の発達と発達診断/楠凡之(北九州市立大学)

Ⅲ 「発達の障害」と発達診断

 「発達の障害」と発達診断/白石正久

おわりに 白石正久


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2020年11月18日

日本学術会議新会員候補の任命拒否に関する声明

日本学術会議新会員候補の任命拒否に関する声明

 

日本学術会議新会員候補の任命拒否に関する声明

                                  2020年10月11日
                        全国障害者問題研究会常任全国委員会

 10月1日、菅内閣総理大臣は、日本学術会議が推薦した第25期新会員候補のうち6名の任命を拒否しました。しかも、任命拒否の具体的な理由は明らかにされていません。1983年の国会では、内閣総理大臣の任命について、学術会議の推薦にもとづく形式的な任命であることを確認しており、拒否する性質のものではないことは明らかです。したがって、今回の菅内閣総理大臣による任命拒否は、日本学術会議法に違反して日本学術会議の独立性を侵害し、「学問の自由は、これを保障する」と定めた日本国憲法を蹂躙する行為であり、断じて許すことはできません。政権が多種多様な学術研究の評価に立ち入ることで、学界や社会の分断を誘発し、時の政権の見解・意向にそぐわない知見や意見を排除する空気が醸成されていくことを深く憂慮します。

 日本学術会議は、戦前・戦中に国策協力した学術界自らへの歴史的な反省に立ち、政府からの独立性を原則に、日本の平和的復興ならびに人類社会の福祉への貢献を使命として1949年に設立されました。科学研究の立ち遅れや民主主義の未成熟が、障害のある人びとの人間的なねがいを奪い、人権侵害をいっそう厳しいものとすることは、障害者問題の歴史が教えるところです。障害者問題の根本的解決をはかり、障害のある人びとの権利保障と発達保障を期すためには、思想や言論の自由、学問の自由、差別なき人権の尊重を前提とした科学的な認識と批判が欠かせません。不当な権力を行使して学問の自由と自律性を侵害し、自由な言論や対話の機会を閉ざすことは、個人の自由や権利を制限し、ひいては発達保障のための研究運動を制約するものとして見過ごすことはできません。

 全国障害者問題研究会常任全国委員会は、菅内閣総理大臣の行為に抗議の意を示すとともに、任命を拒否した6名の候補者について、任命拒否に至った具体的な経緯を説明し、推薦にもとづきすみやかに任命することを求めます。そして、真理・真実にもとづき、科学的な認識にひらかれた自主的・民主的な研究運動をたゆまず進めていきます。

2020年10月11日

15分でわかる支部・サークル・読者会などオンライン活用のヒント

15分でわかる支部・サークル・読者会などオンライン活用のヒント

この15分間のビデオは、オンライン学習会を企画する側の、必要な知識、手順を解説したものです。これを参考に、従いながら、設定できる優れものとの声も(^_-)

15分でわかる支部・サークル・読者会などオンライン活用のヒント

特設ページ オンライン活用


2020年09月14日

声明=新型コロナウイルスをめぐる情勢の下で障害児者の権利を守るために

声明 新型コロナウイルスをめぐる情勢の下で障害児者の権利を守るために

 

2020年5月9日

声明
 新型コロナウイルスをめぐる情勢の下で障害児者の権利を守るために

                     全国障害者問題研究会常任全国委員会


 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)をめぐる問題が広がるなかで、社会保障の仕組みの決定的な弱さをはじめ、日本社会の抱える矛盾が露呈しました。そのなかで、障害児者や家族の生活にとりわけ大きな困難が生じています。
 そうした状況のもと、私たちは、少なくとも以下のようなことを確認し、障害児者とその家族、また障害児者に関わるさまざまな人たちの人間的な諸権利を守り、発達を保障することが必要だと考えます。

◎今年3月には、国会でほとんど審議されることなく、新型インフルエンザ等対策特別措置法が改定されました。そして、4月には、改定法に基づき、緊急事態宣言が発令されました。さらに、安倍首相は、緊急事態条項の創設を主張しつつ、憲法九条の改変を含めた改憲を進める意思を表明しました。感染の拡大に便乗して権利制限の仕組みを強化すること、改憲を図ることは、絶対に許されません。

◎アメリカ合衆国のいくつかの州などでは、感染が拡大した地域において、障害者の治療を後回しにする事例や、障害者や高齢者に人工呼吸器を装着させない事例が起きていると報じられています。すべての命は平等です。障害を理由に命が軽んじられてはならないことが、再確認されなければなりません。

◎慢性疾患への日常的な治療、体位変換、呼吸、摂食などの重い機能障害への医療・介護と家族への支援、施設入所しつつ通学している子どもの生活保障など、複合的な権利保障を必要としている実態の把握と施策の必要を看過してはなりません。

◎乳幼児期の発達保障の場である児童発達支援に、事業所の閉所や感染予防のために、多くの子どもが通えなくなりました。家庭内に限られた生活は、子どもの精神や生活リズムを不安定にし、その行動や健康の問題が家族を疲弊させています。子どもの活動の場の確保や家族の相談支援のための具体的な方策が求められます。

◎学校の臨時休業が続くなか、「グローバルスタンダード」や「留学」なども理由に、「9月入学」の導入が主張されています。危機に乗じて拙速に学校制度の根幹を変えることは許されません。障害児者の豊かな生活と発達をめざす立場からは、グローバル経済やエリート人材育成ばかりに目を向ける傾向も見過ごすことができません。今必要なことは、すべての子どもたちのこころとからだの状況をていねいにつかみ、そのねがいに応える学校再開の在り方を、多くの知恵を集めて考えあうことです。

◎学校を臨時休業にしながら、障害のある子どもの居場所を放課後等デイサービスや学童保育に求めるこの間の施策は、感染防止という面においても不合理であり、教育と福祉の関係性にも大きな歪みをもたらしました。子どもたちの、子どもらしい生活と権利を守るために、関係者がいっしょになって考え、それぞれの役割を果たしていくことが求められます。

◎感染の防止は必要なことですが、学校や施設を休校・休所にすれば問題がなくなるわけはありません。家で過ごすことが難しい子どももいます。毎日の通所に張り合いを感じてきた人もいます。障害のある子どもたちの学習や生活、障害者の仕事や生活を守るために、何ができるのかを考えていかなければなりません。

◎障害児者支援の領域においては、「日額報酬制度」の問題性が改めて顕在化しています。財政面を心配することなく、事業所・職員が最善を尽くせるよう、開所の場合にも休所の場合にも事業所の運営が守られるような緊急施策が必要です。また、事業所の安定した運営が可能になるよう、制度を抜本的に見直すことも、今後において求められます。

◎今、各地の障害児者支援事業所、生活施設、医療機関等では、障害児者の発達や生活を支えるために、感染の不安を抱えながらも、多くの人たちが懸命の努力を続けています。そうした努力に応える施策や、現場の努力だけに問題解決を委ねない施策が、早急に実施されなければなりません。


2020年05月10日

第54回全国大会(北海道)中止のお知らせ

第54回全国大会(北海道)中止のお知らせ

2020年4月19日

関係のみなさま

 全国障害者問題研究会 全国委員長 越野和之
 全障研第54回全国大会 準備委員長 二通 諭

全障研第54回全国大会(北海道)中止のお知らせ

 新型コロナウイルス感染症が拡大し、深刻化するなかで、当会は、9月12日(土)、13日(日)に北海道(旭川市)で開催を予定していました第54回全国大会を中止する判断をいたしました。

 開催地の準備委員会では、大会のための会場確保などとともに、北海道ならではの内容の準備を進めており、大会案内も作成したところでした。しかし、コロナウイルス感染症は拡大しており、終息の予測もできないなかで全国規模の人の移動を伴う大会開催の判断はできないこと、大会準備や大会参加の中心となる道内の教育や福祉の現場も今後の見通しがたたず、大会準備活動もむずかしいこと、感染への不安があるなかで、当初の予定の企画が実施できない状況になっていることなどを踏まえ、大会参加を予定していた方々や、より多くの方々の生命と健康を守るという立場から、苦渋の決断として中止を決定しました。

 あわせて、新型コロナウイルスをめぐる状況は予断を許さないことから、北海道開催の第54回全国大会の延期も行わないこととします。
 なお、道内では、全国大会開催に向けたこれまでのとりくみを今後につなげていくために、新型コロナウイルスをめぐる状況を見ながら、適切な時期にあらためて独自の企画を実施することを検討します。

 末筆ながら、全障研第54回全国大会(北海道)の開催準備に関わられたすべてのみなさまの今日までのご協力とご奮闘に、心より感謝申し上げます。全障研は、当会北海道支部と力をあわせて、障害者の権利を守り、発達を保障する研究運動をさらに進めていきたいと思います。

 ご理解いただきますよう、よろしくお願いいたします。

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2020年04月19日